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先生の勘違いその1「井戸水の水温」

子育ての風景
勉強

「雪解けの頃の水が一番冷たいんだよ」と母が言っていたのを覚えている。
それで子どもの頃は
雪解けの頃の水が一年で一番冷たいのだと信じていた。
いや、母に言われたからだけでなく
小学生の時、先生が
井戸水は夏冷たくて冬温かいものだ。
それは地上の気温が地面の中にゆっくり伝わっていくので
夏には冬の冷たさが井戸水に伝わり冬には夏の暑さが井戸水に使わるからだ
と、教えてくれたのだ。
黒板に描いた図も覚えている。
真冬の寒さが段々伝わって行くから春先になってから一番冷たくなる
というのが自分的理解だった。
冷たさが伝わるのには時間差がある、と。
その後、このことを思い出すたびに、井戸の深さって色々あるよね?
という疑問も頭をかすめたがいかんせん
小学校で覚えたことはしっかりと染みついてしまっているものだ。
大人になってからはふと思い出しては
そんなワケないよねえ、と思うように。
深さが色々なのにちょうど半年で温度が伝わるのはオカシイ
などと考えるようになって、ようやく「これは間違い」と納得できた。
札幌市の水道水の水温を1年間測ってみたところ

1年で最も低いのは2月下旬から3月上旬の+2℃。
なるほど雪解けの頃である。
母の体感は正しかったのだ。
もっとも、これを聞いた60年ほど前の雪解けはもう少し遅かったのだが。
地面を覆う雪が無くなってから地面は温まり始める。
確かに時間差は、ある、けどね。
ちなみに札幌市の平均的地下水の水温は
5月から10月には15度前後・11月から4月では11度前後で
水道水よりもずいぶんと変化が少ないのである。


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