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ラワンブキ

昔々、ラワンブキという
知る人ぞ知る大きなフキを取りに行ったことがありましてな。
入林許可証を取って、林道を奥へ奥へと入って行って
車を停めて、歩いて明るい沢地に降りて行くとうっそうと
大きな大きなラワンブキが生えていた。
フキの下の小人、コロポックルのアイヌ伝説があるが
ラワンブキなら小人じゃなくてもフキの下に入れると実感した。
フキの葉を頭の上に揺らしながら包丁片手に品定めをして
フキの根元をスパッと切ると「しゃあっ」と水が出た。
まさしく鮮度抜群 ♪
刈り取っては置いて、集めて、一抱えほどになったらヒモで結わえて
また先へ進んで、とやっていってそろそろいいかとなったところで
今度はその束を担いで沢を這い上るのだ。
私の姿を見た夫が一言
「まるで野生の王国だ!」
さよかw
そうやって採ったフキは近所に配って残りを塩に漬けた。
40ℓの漬物樽にフキの長さを合わせながらタテヨコナナメと敷き入れて
その間、間に塩をどさりとはさみながら詰め込むのだが
大量に採った巨大なフキなので樽から30㎝くらい上にはみ出してしまった。
そこで積み上がったフキの最上段に慎重に塩を載せて・フタをかぶせて

本を手にイスに上がって・フタの上にそうっと腰を下ろしたのである。
さすがはラワンブキなので私如きの体重では「ミリ」としか言わない。
しかしその内10分、20分とたつうちに、ずっ、ずずっ、と沈み出し
30分ほどでめでたくフタが閉まってくれたのである。
このラワンブキの塩漬けは年末、実家へ持って行って
親兄弟へのお土産にしたが
水で戻すと生のフキのようになって美味しく料理できたと喜ばれた。
まあ、フキ1本分で中ぐらいのナベ一杯の煮物ができたのでござる。

ちなみに
フキは羆も大好物である(震

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