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本当は複雑な耳が遠いということ

高齢者は「耳が遠い」。
ウチの高齢者もテレビは大音量だし
大きな声で話していても聞きもらしや間違いはいつものことだ。
さてそこで
「耳が遠い」とはどういうことなのか。
耳が遠いってことは、音が小さく聞こえるってことだよね?
10の音量が2とか3とかにしか聞こえない、みたいな?
だから大きな声で・20とか30とかの音量にすればいいんだよね?
音を大きくすればいいんだから・たとえば補聴器を使うとか?

ところがところが
耳が遠いということは
単純に「音が小さく聞こえる」だけ、じゃないんだな。
そのほかに
高齢者の多くが「高い音が聞こえにくい」というのもある。
ウチの高齢者も
ヒヨドリの大きな声やシジュウカラのにぎやかなさえずりが聞こえない。
そういえば以前話題になった「モスキート音」。
自分は確かに中学生のころ18000サイクル以上の音を聞くことができたが
今では14000サイクルがやっとになっていて、息子にせせら笑われた。
(ふふん、そのうちお前も笑われるんだぜ)

そして高い音が聞こえないだけでなく
実は・気づかれにくいもっと大きな問題がある。
それは
高齢になると理解力が落ちてくる、ということだ。
「しゃべるのが早すぎるから」
というより
「普通にしゃべるスピードに情報処理がついていかない」
単純に聞こえていないというよりは聞き取れていない。
うちの年寄りはテレビで漫才を見ても面白くない、と言う。
ネタが面白くないのじゃなくて
「なんだか早口で、さっぱりわからない」から。
要するに何をしゃべっているのか聞き取れないのだ。
若者が普通のスピードでしゃべるのもよくわからないという。
まあ、これは内容がわからないというのもあるが。

さてそこで
家族の電話の声が
「わあわあ」としか聞こえないと言っていた高齢のおばがいたのだが
先日ウチのおばあちゃんが、そのおばと電話していたら
家族が電話で、こんなこと言ってきたのよ
とおばが言っていたと…
あれ?家族の電話の声、聞き取れてるじゃん!ねえ?
そういえば
先日、そのおばの家族と会ったとき
おばの耳がずいぶん遠くなったという話になったので
耳が遠くなった人と話すときには
ゆっくりはっきり・聞こえる音域で・わかるように易しく話すといいですよ
と、個人的見解を伝えていたことを思い出した。
今まで、その家の電話は音が悪いのかもしれないねえ
と言っていたのだが・もしかしたら
「わあわあ」と聞こえていたのは早口で「わあわあ」しゃべっていたとか?
そういえば確かに忙しくて早口の人だったな。
もしかすると、その人が
おばに対しては、ゆっくり・はっきり・聞こえる音域で
わかるように易しく話すようになったのかもしれない。
ちなみに
ウチのおばあちゃんは、いつも耳の遠いおじいちゃんと話しているので
大きな声で・はっきり・ゆっくりしゃべるクセが付いていて
おばはウチのおばあちゃんとなら、不自由なく電話で会話ができる。

おまけ
聞こえないなら読めればいいのでないの?
ということで
今時のテレビでおなじみの字幕があれば大丈夫では?
ところがところが
字幕が流れるのが速すぎて読み終わる前に消えちゃうのだと。
高齢者は万事が「ゆっくり」になっている。
そういうことなので
声は大きく・しゃべりもゆっくりで
文字は大きく・時間も長めに表示できるような
高齢者仕様のテレビやラジオの番組の需要があるのでは、と思っている。


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