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昼の星
爛々と 昼の星見え 菌生え
らんらんと ひるのほしみえ きのこはえ (高浜虚子)
この句を初めてみた時には思わず「なんだこりゃ」だった。
「客観写生」をうたった高浜虚子がなぜ「爛々と昼の星見え」
と詠んだのか。
そしてナンでここで「きのこはえ」なのか。
まず、「昼の星」は見えるのかを調べた。
普通、昼間の空に星は見えないものだが実は例外がある。
それは金星だ。
金星は「明けの明星」や「宵の明星」として
明け方や夕暮れの空に美しく輝いているのを見ることができるが
実は昼間でも、位置さえ分かっていれば何とか見つけることができる。
金星は最も明るいときで全天一の明るさの恒星「シリウス」の約15倍にもなるから。しかしこれだけ明るい金星でも、昼間の空では目を凝らしてやっと見える程度なので
「爛々と」した「昼の星」とはいえないのではないか。
俳句の解説を読んでみても
このことについてはっきりと述べているものは見つけられなかった。
この句は秋の句で、どうやら信州小諸へ疎開していたときのもののようだ。
秋に小諸で詠んだ句ねえ…
と考えたところで頭に浮かんだことが ♪
これはもしかして本当にキノコのことだったのじゃあるまいか。
森の中を歩いていて、ふと道端のキノコに目を留める。
それは派手なオレンジ色のもっちりとしたカサに
白い星がぼつぼつとついた
ベニテングダケだった…とは考えられないだろうか。
薄暗い森の中で「爛々と」光る、ベニテングダケの白い星。
うむ、これはインパクトある♪
と、自分としてはこの説で納得なのだが
はて、どうだろうか。
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