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いざという時限定のスイッチ

勉強
子育ての風景

普段はなるべく大変なことや面倒なことはしたくない
第一体力が無いので無理がきかず頑張りようもない…のだが
いざという時には「スイッチ」が入ってしまう「ことがある」。

大学の学芸員課程での博物館展示実習のときのこと。
大学の展示室を使って学生が展示制作を行うのである。
普段は小学校の教室の半分程度の常設展示室に考古資料が並んでいるが
学生がその展示室を使うためには今ある常設展示品を一旦どかして
別の部屋に収納しなければならない。
破損しないよう簡単にだが梱包してそろそろと廊下を歩いて物品庫へ運ぶ。
もちろん学生の展示実習が終わったら元に戻さなければならないので
学生一人が展示ケース一つを担当して元の展示を記録しての撤去である。
ところが・である!
運んだ翌日・オープン4日前に空になった展示台で準備を進めていたところ
突然、元の展示に戻せと大学当局からの「お達し」が!
あさってはオープンキャンパスだという…えええええ!?聞いてないよ!?
博物館学の事務方が日程を勘違いしていたのである。
「どうしましょう」とおろおろ慌てる事務の方。
しかもその年度に限っていつもの担当教員が都合で年度中不在で代わりに非常勤の先生が遠方から通いで来てくれていたので例年はほぼそこにいた担当教員がおらず非常勤の先生がそこにいるのは授業の時だけでさらに複数の大学や施設を掛け持ちしている方だったのでその日は別の所で仕事があって不在だったがとにかく連絡を取らなければというワケで事務の方に電話してもらって(スマホの時代はまだまだ)大学当局とやり取りしたがどうしてもオープンキャンパスのために通常展示に戻せという…
ええと
ってことは
実習展示の初日がオープンキャンパスの翌日!?
という事になってしまったのである。
だがしかし!慌てているバヤイではない!
その時実習チームのメンバーの半分は不在だったが
今いる人間でまずは今・元の展示に戻さなくてはナラナイ!
しかし、元の展示を復元するのに
今いない人が撤去したところははっきりとは覚えてないぞ?
元の展示の写真を撮ってくれていた非常勤の先生はその日、はるか遠方から
画像をファクスで(時代)送ってくれたが真っ黒で使えない…
展示のコンセプトと自分たちの記憶を頼りに残りメンバーだけで
何とか復元してオープンキャンパスに間に合わせたが
展示台を使った準備作業はストップである。
何か他にできる作業は無いか!?
一生懸命に考えてジタバタした。

さて、オープンキャンパスが終わるのを準備室で待ち再び常設展示品を撤去。
掃除をしてたらブレーカーが落ちるが休日なので管財課の人がいない。
窓のない展示室は真っ暗で作業ができない…
要するに実習初日を前にして
予定していた作業がほとんど出来なくなってしまったのだ。
というわけでそのほかにも色々あったが
担当の先生からは
現場では色々なコトが起きるものだが現実ではオープン初日はずらせない!
と常々教えられてきたので
とにかく予定日に展示をオープンさせて
展示しながらごそごそと作業を続けた。
色々厳しく批判されながらの1ヶ月間の展示実習だったが
大変なときには「どうしよう」と途方に暮れる前にスイッチが入るという
意外な自分を発見して驚いた実習だった。


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