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三尺寝

言語

昼寝の季語を見ていたら
三尺寝
という言葉があった。
影が三尺ほど動く間の短い睡眠、つまりは昼寝の事を指す。
昼寝から目覚めると、影が三尺ほど動いていた・・・
身近でうまい表現だなあ、と感心したが
で、三尺寝って、時間にするとどれくらいだろか?
お昼を食べたあと、ちょっと昼寝を、というのなら
時間帯は正午から1時か、遅くとも2時くらいの間だろう。
以下、脳内で展開された情景・・・

暑い中、植木屋さんたちがご隠居の庭の手入れにやってきた。
陽が高くなる前にと早くから仕事を始めたとはいえ
広いお庭は広いもので、午前中には終わらない。
お屋敷の日陰でお弁当を使い、お茶を飲んで昼休憩に。
ごろりと横になって腰をのばして
風に吹かれて、はあ、いい心持ちだ・・・。
すうすうとしばし眠っておりまして、何だかまぶしいな
と、目を開けるってえと
日陰で寝ていたのに顔に陽があたっているじゃありませんか!
おいおい、そろそろ起きねえ、ご隠居が呆れて見てるじゃねえか。
親方にせかされて熊さんはあわてて起き上がって仕事の続きを
・・・って、おいら、そんなに寝てたっけ?

お昼頃だと太陽はおおむね東から西へそう高度を変えずに動いていくので
影の動きもおおむね西から東へ、だろう。
東京の8月初めの太陽高度と方位を見ると
お昼頃なら1時間で東から西へ方位で45度くらい動いていく。
ところが、影の動く距離は影を作るモノからの距離で違って
例えば太陽が1時間動く分、といっても
木立、建物、柱の影などの、影の根元から1m離れた所では
影の動く距離は85センチくらい(お、三尺に近い♪)
しかし2m離れた場所では2倍の170センチ近くも動いてしまうから
昼寝は半分の、30分くらいしかできないことになる。
影の大きさや形にもよるが
同じ三尺寝だったら、根元近くの方が「お得」だよ、熊さん。
だって、いつも親方が根元の方に-
あ、そういうワケか!
親方-、ずるいですよう!

タイマーの無い時代には
今よりずうっと太陽の動き方・影の動き方で「時」を見ていたのだろうと。

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