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水星の日面通過

子育ての風景
勉強

中学生の時気象天文部にいた。
ある時「水星の日面通過」を観測することに。
これは太陽面を水星が通過するのが見えるという現象で
水星は太陽の周りを回るのに地球より内側を通るので起きる現象だ。
っていうか、太陽系で一番太陽側のコースを回るのが水星だということで。
で、その「水星の日面通過」が起きるのがちょうど昼休み頃なので
これは観測しなくっちゃ!!
だってこれが見られるのは大体10年に一度の頻度で
中学生にとって10年後は果てしなく遠いのだ。
問題は昼休みの終わりごろから「日面通過」が始まることで
水星が太陽面を動いていく様子を見ようとすると
どうしたって午後の授業時間に食い込んでしまうのだ。
ちょっと見て・はい、5時間目始まるからオシマイでーす
とはイカナイでしょーが!!
というワケで
私は5時間目の先生に訴えた。

先生、今日は昼休みから水星の日面通過があるんです
これは太陽面を水星が横切って行くのが見える現象で
10年に一度の事なんです
だから5時間目にかかるんですけど少し許してください!

すると先生は

そんなに珍しいことならみんなで見よう

と言ってくれて
天文部が昼休みから特別教室の並んだ廊下の突き当りの窓際で
天体望遠鏡やら三脚やら太陽観測用フィルターやら投影板やら用意して
そのままかたずをのんで投影板の太陽を見ていたところに
5時間目の科目の先生とクラスのみんながぞろぞろ来てくれて
大勢で「すごーい」「へー」と観察することができたのだ。
もちろん解説アリで。

太陽面を横切って動いていく水星

今、水星が、地球と太陽の間を、水星が動いているの!
動いているのは、水星が太陽の周りを公転しているからなの!
それが、ここから、地球から見えるの!

ホンの10分ほど授業時間に食い込んだけど
太陽系を感じる時間だった。

他のクラスのみんなまでは出来なかったけど
というか他のクラスは授業中だったのでうるさかったかもしれない。
思えばこれはホントに
先生に感謝感謝のことだったのでござる。
何の科目のどの先生だったのかが思い出せないけど(汗
あの時の先生、ホントにありがとうございました。
こうやって育ててくれた大人は何人もいたに違いない。

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