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シナノキは花も実も好き

北国に秋が来て
強い風が吹いた翌朝に


変わった落ち葉がいくつも落ちていた。
最初は、風で葉と実が細い枝ごと吹き飛ばされたのだな
と思ったが、見回せば同じようなモノがいくつもいくつも
ということは
たまたまこうなった、ということではないぞ、と
こういう形、こういう形をいつかどこかで見たような、と
しばし眺めているうちに・思い出した ♪
これはアレだあの花だあの花の付き方だ。それから
道端のあの木とか公園のこの木とかに夏になると鈴なりになるあの実だ。
というワケで
「シナノキ」をご存知だろうか(六角精児の声で
漢字で書くと「榀」で、こうなるとますます知らない人が多そうな。
昔はマッチの軸だとか折詰弁当の折箱に利用されていたが
とうの昔にマッチも木の折詰も見なくなってしまった。
薄板を斜めに見るとリップルマークと呼ばれる波打つ模様が光って見える。
独特の香りがあって、マッチも折箱も思い出はこの香りとともにある。
さてそこで
生きている状態のシナノキですよ。
思ったよりあちこちに生えていて・植えてあって、ですね。
初夏に外を歩いているとえもいわれぬ香りがしてくることがある。
ラベンダーやバラの香りとは方向性の違う
上品なお香のような香りである。
見上げると

シナノキの花

派手ではないがそう地味でもない花がびっしりと咲いている。
葉はハート形でそう目立った形ではなくまあ普通の木の葉だから
普段は「木」としてしか認識されないだろう。
そして夏には緑色の円い小さな実がたくさん実るが
これまた地味なのでよく見ないと見過ごされてしまうと思う。
風で飛ぶタイプの木の実は色々あるが
薄い羽の中に薄い種が入っている形が多いと思う。

例えばカエデの種がよく知られている。
カエデの種の下に見えるのは、多分去年のシナノキかオオバボダイジュの種。ちなみにシナノキとオオバボダイジュは近縁でよく似ているが
オオバボダイジュの方がシナノキより全体に葉も実も大きい(ざっくり
前振りが長くなったが
飛ぶ種の形で一番好きなのがこのシナノキ・オオバボダイジュの形なのだ。
羽に埋め込まれていなくてナンかこう
SFに出てくる太陽風で太陽系を航行する宇宙船のように見えてくるのだ。

宇宙船?

アーサー・C・クラークの「太陽からの風」ハヤカワ文庫
これは良かったなあ。

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