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擬態三態

虫の擬態には本当に驚かされるが
擬態には大きく分けて3種類あるのでは、と思う。
まず、よく知られているのが
「他の何かの姿に自分を似せる」というもの。
枯葉にそっくりのチョウや花にそっくりのカマキリなどあまたあるが
その中でも究極の擬態だと仰天したのが
ムラサキシャチホコというガ。
即、検索!
できれば動画で。
動画で見るとますます不思議感が増大!
これは無いでしょう!?というレベルである。

このガの羽には枯れて両端がカールしている枯葉の「絵が描いてある」
としか見えない。何たるだまし絵。。。
さて私のSF的妄想によると
だまし絵愛好家の未来人が2億年前にタイムマシンでやってきて
羽の模様の遺伝子を操作する「お絵かきソフト」を使った
…のではないかと。

妄想はさておき
次なる擬態は保護色。
周りの色に似せる、というものだ。
葉っぱの上にいる虫は緑色で、木の幹にいる虫は茶色だ。
さてそこで面白いのがシモツケマルハバチの幼虫で
身体が半分透けているので
葉を食べている間は淡黄色で花を食べ始めると花色に染まるのだと。
要するに食べたものが透けて見える。

これは花を食べているところで

これは上半身がピンクで下半身が緑なので
葉を食べていたのが花の所にやってきて食べ始めたところらしい。

見ても見ても見えないモノなーんだ?のなぞなぞみたいだが
一匹見つけると、結構な数がホラーのように見えてくるものだ。
花にも葉にも紛れるようなみごとな保護色である。
その場の雰囲気に染まって存在を隠すような。
しかも自前の色ではない、ということは・コスパがいい ♪
うーむ、おぬし、ただ者ではあるまい。

最後に最終兵器的な擬態を。
「プラチナコガネ」というコガネムシがいる。
コガネムシ、というだけでもナニやら金ぴかのイメージがあるのに
その上を行く「プラチナコガネ」である。
ホントに全身がプラチナのように輝いていて
これじゃ目立ち過ぎるのではと思いきや
光を反射して、まるで水滴のように見えてしまうという。
プラチナコガネが生息しているのは中米のジャングルなので
葉の上の水滴はありふれた存在だ。
目立たない姿になろうとしたら
普通は周りの景色に身体を似せようとするものだが
このコガネムシはそのナナメ上を行く戦略。
黄金色の光を発していると見せかけて!
その実周りの光を反射させて身を隠すとは。

さてそこで
人間の話だが
集団内で出来るだけ目立たないようにしようと
自分の意見を言ったり・自分で考えて行動しないで
何を言われても「うんうん(みなさんと同じです)」と
ひたすら周りの人に同調し続けるというのはそう珍しくも無いことで。
黄金色に輝くのではなく鏡のように周りの色を反射して
自分の色を隠し通す
というか
そもそも自分の色を持っていなくて
さらにそういう人が何人もいると
お互いが鏡となって果てしなく反射像が続いているが
実はそこには何の実体も無くて・・・

ナンか、怪談みたい。

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