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幾何学と実用

勉強
実用

さて、幾何学の難問の一つに
任意の角を定規とコンパスだけで三等分することはできない
というのがあって、中学生たちは定規とコンパスを手に頑張ったものだ。
ただしこの場合の「定規」は長さを測るものではなく
まっすぐに線を引く道具である。
見事解いてドヤ顔したかった・・・ははは(痛イイ時代だった)
で、これは幾何学的にはできないのだが
実用上なら定規っていうかモノサシがあれば三等分できる。
ざっとこんな図を描いてみた。(くっ、紙に手書きの方がよかったかな!)

角Aを三等分したいときには
点Aからコンパスで等距離の交点(B,C)を求めて
直線(B,C)の長さを測って3等分すると角Aは3等分される。
幾何学的には正しくないけど、実用上はこれでいいのじゃないか。
AB・ACが長く取れれば精度は上がる。
要求される精度は色々だけど。
実はこれは父が教えてくれた方法だったが
私はそれでもモヤモヤと「それでいいのか」という気持ちが強かった。

いやいやいやいや
そもそも・例えば
半径3センチの円を描くには
コンパスを定規に当てて3センチの幅に開いてから
ノートの適当な場所に針をぷすりと刺してくるりと円を描く。
が、うまくいかないときにはずれてしまって
円の始点と終点が食い違ってしまったりする。
いや、慎重に慎重にできるだけきれいに描いていったとしても
コンパスの開きは正確な3センチじゃないし
中心「点」はノートに開いた「穴」で・芯には太さがあって
しかもその太さは描き始めと描き終わりでは必ず変わる。
だから
ノートに描かれた図形は実は「正しくない」。
中学生の時にはこのことにモヤモヤしていたが
幾何学というのはあくまでも理論なので
点には面積が無く線には太さがない。
だからホントは目に見えない。(!)
ゆえに、幾何学図形を「正しく」現実化させることは不可能なのだが
誤差の範囲を適切に決めることで現実に使えるものになる。

あの時ノートに描いた不細工な図は、その「点」と「線」の(あたり)に
ちゃんと幾何学の理論があった、はずだ
だから、あれはあれでいいのだと今なら思えるのだ。
現実問題として、配分というものは
計算で出せるとか理論上はこうだとかはあっても
実際には計測した上で計算して・諸般の事情を加味してから
色々に都合よく決めるものじゃなかろうか。
例えば
折り紙の本に紙を「キレイに」三つ折りにする方法
が載っていたので小躍りワクワクでそのページを見たら
大体のところでゆるく曲げておいて
じわじわとずらしながら余りの無いように折っていく、と。
多少のズレはいいことにして・許せる程度の三等分(!)
ちょとがっかりしたが…うまくいくと何だかうれしい♪
これがホントの「折り合いをつける」。

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