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昔のご飯はお米を蒸して?

「強飯(こわいい)」は、米を洗って水に浸してから蒸したものだ。
現在でも伊勢神宮など神事のお供えにされているし
お赤飯もおこわ(黒豆が入っているもち米のご飯)も特別な「ご飯」だし
蒸した米には今なお非日常の特別感が漂っている。
特別な時の調理法には古いしきたりが残っているものだ。
さてそこで
鎌倉時代くらいまでは、米は蒸して食べていた
とされてきたのだが
大人になってから、ちょと、疑問がわいてきた。

お赤飯を作るときや餅つきのときには
せいろに洗ったもち米を入れて、大鍋にお湯をたぎらせて蒸し上げるが
柔らかくなるまで、強い火力で50分くらいかかるものだ。
そして、せいろを乗せる大鍋のお湯は煮え立っていなくてはならない。
まきストーブで2升のもち米を蒸し上げた時
プラスチックの大きなコンテナに山一杯のまきを使った。
これがもし普通にご飯を炊くのだったら
釜が煮立ってから弱火で20分過熱して
あとは釜を下ろして10分蒸らせば炊き上がる。
「炊く」方が時間はかからないし、使うまきは四分の一以下ではないか。
もし米を「蒸す」を毎日やっていたら、大変すぎないか?

で、ナンでわざわざ蒸したのだろか?
食べるだけなら「煮る」「炊く」、でいいでしょ。
そこで蒸す利点を考えてみると
鍋に焦げ付かない・こびりつかない・噴きこぼれない、ではないか。
こびりついたり・焦げ付いたり・噴きこぼれて
無駄にならないのと、何か「米の力」がそのまま留まると考えたとか。
強飯は特別なご飯で、普段は煮たり炊いたりして食べていたのではないか。
普段の食べ物は
裕福な人たちは炊いたご飯で
庶民は色々混ぜて炊いた「かて飯」や雑炊で
貧しくなるにつれて、米以外の食材の割合が増していくのではないか。
出土する土器の種類や分量から、強飯は多くはなかったという考古学者も。
イチ主婦としては
大量の燃料を使う・経費がかかる・時間がかかることから
「強飯」は「特別食」であって、普段の食べ物ではない
と、考えるのであーる。
ちなみにウチではもち米は「炊きおこわ」にしている。
もち米だって炊けるのだ。

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