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モノ書く人の道しるべ

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コミュニケーション

「書くのが苦手」と言う人は多い。
「字がへたで恥ずかしい」とか「書きたいことがうまく書けない」とか。
両方です!(キリッ)という人も。
で、とりあえず
「書きたいことがうまく書けない」ことをどうにかしようと書いてみる。

一生懸命書いているのに
「違うううー!私が書きたいのはこーゆーことじゃなっいーっ!」
という今日この頃皆様におかれましてはいかがお過ごし…
いや、冗談はさておき
「正しい書き方」がわかれば書けるのではと
書店に並んでいるハウツー本を買ってみたりする、が
その通りに書こうとしてもこれがなかなか…。
考えるに正しい書き方の決定版なるものがあったら
書店でこんなにたくさん色々なのが並んでいるワケが無い。
それはさておき
書けない人というのは
書く前の段階でつまづいている、と見た。
書けないのは「何を書くのかがよくわかっていない」からだと。

何を書けばいいのかわからなくちゃ書けるわけがない。
そこで書く前に、自分が書くことを考えてみよう。

まずは思いつくままに箇条書きしてみる。
その中で何が一番大事なことなのかを考える。
そして、順番を付けたり仲間どうしをまとめてみる。

すると書くべきことが見えてくるし
新たに書きたいことも出てくるかもしれない。

次に、何のために書くのかを考える。
書いて、どうしたいのか?

情報を正しく伝えたいのか
気持ちを伝えたいのか
そして
書くことで、誰にどうして・どうなって欲しいのか。
その目的のためにはどうすればいいのかをまた考える。
書く前に頭の中を整理して・編集することが必要だ。

次に練習法について。

書けるようになるにはまず、「読む」こと。
それも、できるだけ「いい文章」を読むこと。
急がば回れ・これが一番の近道である。
わかりやすい説明文やすっきりした随筆がいいと思う。
読むことに慣れたら、今度は声に出して読むといい。
すると、文章のリズムを感じることができる。
リズムがある文章は読みやすく、読んでいて気持ちのいいものだ。

そうしたら、今度は書き写してみよう。
いい文章を書き写していると
なんだか自分がうまくなったような気になれる。(笑)
自分の好みで言えば
向田邦子や沢木耕太郎が知的で切れがあって大好きなのだが
(そういう世代なもので)(笑)
自分が好きで読みたいと思えるものなら何でもいいと思う。

文章のかたちを練習したかったら、新聞の一面下段のコラムがいい。
起承転結の型できっちり収まっているから。
これを書き写すことで文章の形が実感できる。
昔は朝日の天声人語が受験生の定番だったが
もちろん自分が普段読んでいる新聞でかまわない。
たまに他の新聞のも読んでみると、それぞれ個性があって面白い。
イマドキは新聞を取っていない人も多いと思うが
テキストだと思ってコンビニで購入して読んで書いて練習すればいい。
そうして
読み続け・書き続けているうちに
走りこみをやったような「力」がついてくる。
まずは1ヶ月やってみて欲しい。
0が1になるから。

さてそこで
文章を書く練習をしたい人におすすめしたい本がある。
「小田嶋隆のコラム道」小田嶋隆 著 ミシマ社
以前ウェブ記事でこの本をちらりと見かけて気になったので
まずは図書館で借りてみた。
結果・当たり♪
「コラム道」とはなっているが
この本はコラムに限らず、すべてのモノを書く人向けに書いてある。
締め切りや、モチベーション、長さの制約等々
ものすごく現実的な「書く」がここにはある。
文章の書き方については
これまで種々様々な指南本を読んできたが
この本は今まで読んだ中で一番かもしれない。

なかでも、特に印象に残ったことを一つ。
小田嶋氏は二十代半ばにラジオ局でアルバイトをしていた。
ラジオから流れてくるニュースを耳で聞きながら
ニュース一つ分を大学ノートの1行に要約するのだ。
はじめはおどろくほどヘタだったが、一か月もするとできるようになって
さらに、半年経つ頃には隣と雑談しながらできるようになったのだと。
なるほどー
作家が書いた文章の指南書よりも、ずっと現実的だと思う。
面白くてためになる、の見本のような本だ。
コラムを書く人でなくても
いや、書く人でなくても
話の一つ一つがかなり面白いので、ぜひ手に取って読んでほしい。
というワケで
どうしても手元に置いておきたくなったので購入した。
それにしても
面白い本には
一度読んで満足してしまう本と
ずっと手元に置いて何度も読みたい本とがあるのだが
この違いは何なのだろうなあ。
ずっと考えているのだが、よくわからない。


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