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けなげなデジカメできぼうを撮ったら

実用

2015年のこと。
夕方に国際宇宙ステーション「きぼう」が見えるようになったので

その日は眺めるだけでなくコンパクトデジカメで撮影してみようと
三脚にカメラを乗せて少々明るさの残る空に向けてみた。
おお、来た来た♪
と思いつつ、何しろ動きが早いので
セルフタイマーは使えなくて
忙しくカメラの向きを変えて「きぼう」を追いかけつつ
手動でシャッターを操作した。

東に移動していくうちに段々光度が増してきて
そのうち妙なことに気が付いた。
きぼうの大きな光点の左上、10時の方向に小さな光点があって
ソイツはきぼうとぴったり並んで動いていく・・・。

動きが早いのできぼうの光点が線になって写っている(太い方がきぼう)
曲がっているのは手ブレによるもの(汗
小さな光点もちゃんと写っていた。

オヤ~?

きぼうから何かを切り離した?
補給船のこうのとりは今いないよね?
誰かが並走してる?

JAXAのページを色々見たらば
アメリカの無人補給船シグナスが打ち上げられたとかで
ひょっとして、それか?
さてそこで
「きぼう」と並んでいたのがアメリカの無人補給機シグナスだったとして
地上から見えるものなのだろうか?
きぼうの大きさがサッカー場くらいというから(太陽電池パネルが大きい)
太陽光を反射すると相当に目立つことは納得できる。
で、シグナスの大きさはというと
直径3.1メートル、長さ5メートルほどの円筒形のタンクに
直径4メートルほどの太陽電池パネルが2個付いている。
何だかずいぶん小さいような。

一番太陽光を反射するのは太陽電池パネルだということで
この面積を大雑把に比べてみた。
きぼうのパネルは10m×35mくらいのが8枚だから
その面積は2,800㎡くらい。
で、シグナスのパネルが直径4mのが2枚だから
2×2×3.14×2で、大体25㎡。
大体だが、面積の違いが100倍以上。

見えた明るさだが
きぼうは1等星より明るくて金星並みの-2等級はあったと思う。
横のシグナスらしきものは
マチナカの明るいところで何とか見えたので3等級ほどか。
星の明るさは1等星が6等星の100倍ほどの明るさとなっており
1等級の違いはおよそ2.5倍となっている。
-2等級と3等級の明るさの違いは5階級なので
おおよそ100倍、と。
あってるじゃん・・・これでいい気がする。

そうか、この大きさで400キロ離れた地上から見えるのか。

地上で400キロ先の光が同じように見えるかというと
400キロの空気の層を通しているので無理だろう。
地上から宇宙を見ると、空気の層は厚みの分だけで・濃いのは10キロほど。
そう考えれば「何事の不思議なけれど」だが
遠いところの方がよく見えるなんて、やっぱり不思議。
ちなみに
このけなげなデジカメはこんなものも写せていた。

マンションと電線に挟まれたマチナカの天体観測ぢゃ ♪

いつも通り・自分ができる範囲で写真を撮ってみたのでござる。
さてこれはというと
2020年12月の“グレート・コンジャンクション”
木星と土星が見かけ上とても近づいた現象が起きた。
ここまで近づいて見えるのはほぼ400年ぶりだそうで
400年前と言うと、ちょうどあのガリレオの時代。( 福山雅治じゃない方 )
もっとも近づいた時の距離は、満月の直径の1/5ほどで
今日見た感じでは“ ほぼくっついて ”いる。
さてそこで400年前の1623年に
59歳のガリレオは見ることができたのかと言うと
その時は木星と土星が太陽の方向にあって観測しずらかったはずだそうで。
ガリレオさん残念でしたなー。
というワケで
二つ映っている星の下の方、大きい方が木星で

その木星の左上に小さな白い点が・・
よく見ると、その白い点が1つと
さらにその左上にかすかにもう1つ、並んで見えるのだ。
この点には気づいていたがまさか木星の衛星までは写らないでしょうよ~と
ハレーションかなぁ~?と思っていたのだが
今日ネットに上がっていた木星と土星の画像をいくつか見たら

これは木星の衛星だったんだー♪♬
写るんだ~~~
とわかった ♪♪♪
ちなみに星を撮るときは設定を風景にして遠くにピントを合わせる。
遠くだし。

古い小型のニコンのデジカメよ
ともに旅をしてきた古(いにしえ)の友よ
ごめんなー
メンゴ・メンゴだよー。
お前、木星の衛星まで写すことができたんだね。
持ち主に似合わずマジすごいわー。
また旅に出るときは一緒に連れて行ってくださいまし。

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