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加齢臭とか死臭とか

雪に埋もれている時期なので春のことを。
野山を歩くと色々な香りを感じるものだが
一番の楽しみは“桂”の香りだと思う。
甘い、ケーキのような、メープルシロップのような香りがすると
思わず桂の木を探してきょろきょろと見まわしてしまう。
大抵は、強い香りがするほど大きな桂の木があるものだ。

札幌市の原始林、円山の桂の巨木。(5月) 

円山には桂の木が多い。
ハート型のエビ茶色の若葉が出ているのだがこの写真ではよく見えないので
桂の葉の画像をおググりあそばせ。

桂は春夏秋通して香るが季節で言うと香りは春が一番強いので
これは木が芽吹く春に生命力たっぷりに香っているのだ、と思っていた。
だがしかし!
そこには衝撃の事実がっ!
あの甘い香りは
葉が枯れて・分解することで発生するのだ。
香りの成分は若葉には少なくて・老化にともない増えてきて
葉が落ちて・分解して空気中に放出されるのだと。
ではあの甘い香りは加齢臭というか(汗
はっきり言えば・死臭?って(震
ん?
で、ナンで春に強く香るのか?
だって、葉が老化して成分が増えてきて
葉が落ちて分解して香りが放出されるのなら・それは秋でしょう?
それは・北国だから。
北国は秋が来るとあれよあれよと冬に向かい雪が積もる。
分解しきらないうちに雪に覆われてしまうから
雪解けと芽吹きが同時に駆け込んでくる北国の春に
雪の下に封じ込められていた“腐りかけの葉”の分解が一気に進んで
あの、甘いパウンドケーキのような香りが漂うのだ。
で、芽吹きも同時だから
一番若くて新鮮な葉が一番香りが強いんだなー
と、勘違いさせていたのだ。
甘い香りは若葉からではなく・足元の腐りかけた落ち葉から。
あ、そういえば磯の匂いも似たようなモノだったと。
色々と考えさせられる事実であった。

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