【詩】屠殺所

 所在地も知らない屠殺所を思う
 そこには今日も死ぬ為だけに家畜が居るのだろう
 「有難う」だとか「いただきます」だとか
 惰性で吐いた感謝

 家畜、今なに思う

 所在地は実家
 捻くれた思考だけが肥えて今日も汚く鳴き喚く
 「世論」「持論」「世論」「持論」

 私、今なに思う

 錆びついた心が枯れ葉を眺める
 落ちていく、落ちていく、
 見せかけだけの罪悪感
 怠惰が首を締め付ける
 喉の奥に落としたままの謝罪

 優しい子なんです、私

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