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指す将順位戦9th自戦記 B級1組 8回戦 (vs 口火 初段[1556])
順位争いもいよいよ佳境。
全勝勢のけいさんが敗れたことで、展開次第では直接昇級も狙える位置。
そのためにも全勝を狙いたい。結局やることは変わらない。
【対局前】
◇対局相手の印象
八間飛車使いの振り飛車党
純粋居飛車党
3手目▲2五歩、2手目△3四歩で先後どちらも雁木を志向する将棋をよく指している。
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チャートによればB級1組唯一の力戦受け棋風。
しかし、確かに最新型ではないものの自分なりの定跡は持っているように感じたし、対振りでは急戦の採用も目立った。実際に指してみると何か見えるだろうか。
それはそうと、チャート上は真反対に位置しているが、ポストを見ていて自分に似ているなと思うことが結構あった。
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(↓特に後者は自戒の念も込めて一手詰を逃した対局を置いておきます。)
https://note.com/sanaga_ambition/n/n491555ba4c9b
共通点を見出だせそうな相手だが、一つ決定的に異なるのが、両者掘っている定跡範囲がほぼ被っていないことである。
私は先手雁木を指さないし、口火初段は角換わりや相掛かり等を積極的に狙うタイプではない。
ここのすれ違いが本局どのような影響するか楽しみである。
◇対戦成績
初手合い
口火初段は前期順位1位の強敵で、今期もここで勝つと昇級戦線に躍り出てくる。
◇事前準備
[▲先手番]
こちらが先手番の場合は対雁木を想定して作戦を考える。早繰り銀や腰掛け銀も面白いが、本局は達人戦の羽生深浦戦(20231124)で指されたような矢倉の将棋を指してみたいと思う。
プロ間でも指されるような有力な作戦だが、対策が出回っていないように感じているので口火初段の対策を見てみたい。
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▲4六角を早めに出て後手の駒組みを制限
矢倉矢倉していないので自分の将棋に落とし込めそうと考えた
[△後手番]
口火初段の先手雁木と3手目▲2五歩の関係が気になるので、2手目△3四歩→4手目△3二金で駒組みを見てみたい。
横歩取りや一手損角換わりになればこちらの土俵で戦えそうだがどうだろう。
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△3二金に▲2四歩なら横歩取り調
もし踏み込んできたら小堀流でいく予定だ
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△3二金に▲7六歩ならその瞬間に角を換えてしまう
▲7八金が入っていないのは先手のポイントだが経験値はこちらに分がありそう。
~対局前まとめ~
先手番なら矢倉で雁木を相手取る。
後手番のときにどういう将棋になるか予想がつかないが、口火初段が受け将棋らしいというところも加味して一手一手対応していきたいと思う。
【対局開始ッ!】
先手:kutibi(1556)
後手:SaisokuAmanogawa(1705)
(↓対局棋譜と振り返りは下記リンクからどうぞ!)
https://shogi.io/kifus/260293
◇急所の局面(103手目▲7七銀まで)
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詰むや詰まざるやの終盤戦だが、ここでは△5六桂という決め手があった。
[基本図]以下 △5六桂 ▲同歩 △5七金 ▲同角 △同銀成 →[a図]
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まずは桂馬を自然に取る手から。空いたスペースに金を放り込んで清算してしまう。以下▲7九玉と逃げるのが最長手順で、
▲7九玉 △8七桂 ▲8九玉 △9九桂成 ▲同玉 △7七角成 ▲8八金 △9八香 ▲同玉 △8七角 ▲同金 △5八飛成 ▲8八桂 △同龍 ▲同金 △8七銀 ▲同金 △9九金
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これで詰みとなる。詰み手順に手に入れた金を最後使うことでピッタリ詰む。これは難度高いなぁ。
[a図]以下成銀を取るのは
△6五桂 ▲4六玉 △6四角 ▲5五金 △3五角 ▲4七玉 △5八飛成 ▲同玉 △5七桂成 ▲6九玉 △6八金 ▲同銀 △同成桂
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玉を下段に落として数の暴力で詰みとなる。
初手△5六桂を取らずに▲7九玉の手順も個人的に気になったので検討してみる。以下△7七角成では▲6二角成から逆に詰まされてしまうので連続王手が必須だ。
[基本図]以下 △5六桂 ▲7九玉 △2九飛成 ▲4九歩 △同龍 ▲7八玉 △7七角成 ▲同玉 △6五桂 ▲8六玉 △8九龍 ▲8七角 △8五歩 ▲同玉 △8七龍 ▲7四玉 △7六龍 ▲7五歩 △8五銀 ▲6四玉 △5三金打 →[b図]
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▲7九玉には△2九飛成のとき、先手は持ち駒が歩のみで受けがきかない。そのポイントさえ押さえればあとは王手の連続で玉を旋回させ、最後は62の金も活用して詰みとなる。
先手の角が利いているところに桂打ちで無理やり空間を作り、駒を打ち込んでいくというのは対局中全く発想になかった。
先手の持ち駒がほぼない点、後手の持ち駒は王手をかけながら補充できる点に着目し、飛車の横利きによる縛りがかなり強力で上部はなんとなく金駒が抑えているという嗅覚があれば発見できるのかもしれない。
今の自分にはかなり難しい筋であると感じたが、明確に勝ちがあった局面だったので本稿で取り上げてみた。
【対局後】
◇本局の振り返り
遂にこの負け方をするときが来てしまった。
口火初段が普段指さない角交換形の将棋に持ち込んで、狙い通り知識を使える局面になって有利を取り、相手にも劣勢を意識させるところまでいってからの逆転負け……。
作戦が発動しなかったり早々に想定から離れて自力でやられたりするのはまだ飲み込めるのだが、ここまで完璧にプラン通りにことを運んで結果負けるのはあまりに希望がない。
これが普通になると事前準備する意味がなくなってくるので死活問題だ。幸いと言っていいのかはわからないが、今回は詰み逃しという明確な敗因があるのが救いというか、まだやりようはあるとは感じている。はぁ…。
◇最後に
終盤力の問題もそうだが、体力の問題も課題だ。
私が負けている将棋はかなり長手数・長時間であることが多い。これは、そうなっているということは事前に想定したレールの上にないというのも一つあるだろうが、その上でもなお勝つためには体力ゲージを延ばさないといけない。
将棋のために体力をつけるというところまでいくと本職か!と流石になってしまいそうだけれど、健康のためという大きなテーマの上での体力作りというのも考えたくなりました。それじゃあ。