オンラインコミュニティで交流している人は、リアルの友達なのか
今やリアルでのイベントや活動が制限されている中、オンラインイベントやオンラインコミュニティが身近なものになってきましたね。
私自身も、実際、同じ物理空間で顔を合わせたことがない人と、オンラインのみで交流する機会が増えてきました。そんな中、「オンラインコミュニティで交流する人は、リアルの友達と言えるのか」という問いが、先日参加した読書会で投げかけられました。
その場ではすぐに答えられなかったので、改めてこの問いについて考えてみたいと思います。
オンラインのつながりとは何か、リアルの友達とは何か
オンラインコミュニティでの交流とは、ZOOMなどのビデオ会議ツールでのコミュニケーションが中心です。そこでは、画面越しで話をしたことしかない関係の人が多いです。
一方、リアルの友達とは、同じ釜の飯を食った仲間と表現できるように、部活やクラブ、学校など同じ空間で共に時を過ごした人のことを指すのではないでしょうか。(オフラインの友達、と表現するのに違和感があったのでリアルと表記しています)
その違いは、五感で言えば、嗅覚、触覚、(味覚)を伴うかどうか、ですね。実際に握手をしたり、吐息を感じたり、オーラのような雰囲気を感じたりすることは、リアルでないとできません。
そもそも、なぜオンラインとリアルを区別しているのか
振り返ってみて、この区別ができるのは20代後半以上の人ではないかと思います。つまり、SNS(ミクシイが最初でしょうか)で交流をする前のことを知っていなければ、この区別を認知できないと思います。ビフォアーを知らなければ、アフターがありませんよね。
なので、10代の人にとっては、そもそもそんな問いが出てこないのではないかと思います。彼ら、彼女らにとっては、どちらも「リアル」の友達なわけです。(そもそもリアルと表現する必要性がないかもしれません)
20代後半以上にとっては、青少年期は、すべてがリアルだったわけで、オンラインの選択肢はありませんでした。だからこそ、オンラインの交流において「何かが違う」と感じるのでしょう。この正体は何なんでしょうか。
リアルとは何か
オンラインとリアルの区別の存在自体が世代によって異なるだけでなく、リアルという言葉自体も、意味が変化していると感じます。
おそらくリアルとは、物理的な(身体的な)世界を意味して使われることが多く、同じテーブルで食事をする、液晶画面ではなく、会場に足を運んで演劇を見る、などを指しています。つまり、五感で感じられるものに関して、リアルと捉えられることが多かったのではないでしょうか。
ただ、感染症が広まり、生活が大きく変化している今、このリアルの意味において、精神的な意味が占める割合が大きくなっていると感じます。つまり、誰かとコミュニケーションをして、嬉しくなった。悲しくなった。と感情の変化など、人間の内面で起こることを「リアル」と捉えているのではないでしょうか。
苦しみに関しても、以前は「肉体的な苦痛」がメインだったのが、「精神的な苦痛」の割合が大きくなっていますね。食料が足りない、重労働でヘトヘト、と悩むことよりも、多くの人が人間関係が上手くいかない、他人に認めてもらえないと悩んでいると思います。
私にとってのオンライン
振り返ってみると、私は1日のうち8時間以上、オンラインの世界を生きています。リモートワークでコミュニケーションを取る場合は当然オンラインです。それに加え、音声コンテンツを聞いて外を散歩しているときでも、意識はオンライン上にあるとも言えます。
私自身、オンラインコミュニティの活動も行なっているので、気づけば、かなりの割合をオンライン上で生きています。
それにも関わらず、私は、オンラインコミュニティでの交流を「普段と違った人と交流できる場」と表現しています。あくまでも”普段”は、職場や家庭、”リアル”な友人関係のことをイメージしているのですね。オンラインでの交流は一時的なもの、常時の関係ではないと無意識に捉えている気がします。
しかし、これからはその”普段”がオンラインコミュニティでの活動になっていく可能性があると思います。もちろん、バランスの問題で、今までの友人や家族との人間関係を大切にすることに変わりはありません。ただ、オンラインでの交流が一時的、おまけ、擬似的なもの、と考える感覚は、変えていく必要があるのかもしれませんね。
私にとってのリアルの友達
これからは、物理的に一緒に時間を過ごした仲間という意味よりも、近い価値観を持っている人、またはお互いの価値観の違いを認めることができる人をリアルな友達と考えていきたいと思います。
具体的に言えば、同じ会社で働いている、同じ学校を卒業した、近所に住んでいた、など、五感を通じて交流をした人でも、外的要因によって友達になった人は、リアルの友達とは言えなくなっていく気がします。もちろん中には、リアルの友達に該当する人もいると思いますが、割合は少ないでしょう。
この定義で考えると、オンラインでの交流の方が伸びしろがあります。なんせ、数十億人が対象となり得るわけですからね(外国語も頑張らないと)
好きなものを好き、と心のままに表現し、自分の意識の上で素を出せる相手は、リアルの友達と言えると、私は考えます。
皆さんはどうお考えになりますか?
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