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6冊目 愛するということ ① 〜愛は技術だろうか〜

(将来10歳になったときのわが子へ、いつか読んでほしい本を紹介します)

君は愛について考えたことはありますか。言葉にすると、なんかちょっと恥ずかしいし、よくわからないものって感じではないかな。

この本を書いた、エーリッヒ・フロムはドイツ人。精神分析学で有名で、いわゆる「心のことを調べるプロ」でした。その人が、愛するってどういうことなのか、について書いた本です。

人間だから、自然と人のことを愛することができると考える人は多い。けれども、本当にそうだろうか。愛することって誰にでも、できることなのだろうか。フロムは、まずこういった疑問を投げかけています。

今日は、愛することは、誰にでもできると思っているかもしれけど、そうじゃないよ、って話。

ポイント①
多くの人は、「愛する」より「愛させる」ことを考えている。

愛ってことを考えたとき、多くの人はいかに他人から「愛させる」ようになるかに関心を持っている。君も、誰かに嫌われたりするのは嫌だよね。家族から愛されていないって感じたら悲しくなるでしょ。

でも、大事なのは、自分が誰かを「愛する」ことだ、フロムは言っている。これが難しいところだね。誰かに「愛される」ことばかり考えていたら、その人がいなくなったら、どうする。自分の人生が他人によって決まるようになってしまう。

これって本当に幸せなことなのだろうか。正しい愛の形なのだろうか。そんなことを考えさせられるね。

ポイント②
「誰に愛させるか」ではなく、「愛する能力があるのか」が大切

愛って聞くと結婚とかを想像するかな。そう考えたとき、多くの人は「誰と」愛し合うのか、結婚するのかを考えます。

でも、本当に大切なのは、「誰と」愛し合うかではなく、自分がどれだけ相手を愛する能力があるのかが大切なんだ。どんなに大好きで、一生一緒にいたいと思う人でも、ずっと一緒にいると、嫌いなところが見つかる。

君も親友であっても、嫌だなって思う瞬間があるんじゃないかな。大好きな母親でも、ここは嫌だなってところがあると思う。そういった嫌なところを見た後でも、愛し続けるには、能力が必要なんだ。

君も愛する人がいつかできたら、自分の愛する能力を高める努力をしよう。

ポイント③
恋は一瞬、愛は一生

理想の相手を見つけたら、ゴールではない。むしろ、出会った2人がこれから関係を作っていくスタート。愛し続ける、愛している状態にとどまっていることは、本当に難しいこと。

君も、いつか恋に落ちて、大好きなパートナーができるはず。恋は盲目(目が見えない)と言われるように、出会ったときは相手の欠点は見えない。全部が素晴らしく見えている。

周りがどんなことを言っても、その恋に一直線に走っていくと思う。

けれども、恋愛(パートナーとの関係)は、マラソン競技。短距離走みたいにダッシュしたら、どこかで息切れしちゃう。スピードアップするときがあれば、ペースをキープするときも必要。

いつでも全力でなくていい。そんなほどよい距離感を作るのが大切なんだ。これは経験するしかないね。君が実り多き学生時代を過ごすことを祈っています。

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