「幸せのあかし」

亭主の浮気なんつうのは
帰りを待ってさ
パンツの中の匂いを嗅いだらわかるのさ
一日汗をかいた下半身は陰干しの湿った雑巾の匂いがするもんさ
それはとっても愛しい匂いで
仕事して汗臭いから愛しい
この匂いがあたしら家族を養ってんだ
でも今日の父ちゃんのおちんちん
ソファーで寝転がりイビキかいてるパンツ下ろしてみたら
ティシュが張り付いてて匂いもしない
頭が真っ白になったさ
父ちゃん外で何してきたんだい
あたしはいろんな妄想してさ
父ちゃんの寝てる側でやけ酒飲んだ
叩き起こして問い詰めたいさ
でもね、夜中でもタクシーで帰ってきてくれた
いつものようにあたしに缶酎ハイ買ってきてくれた
首や髪の匂いはいつもの優しい父ちゃんの匂いさ
若い女には負ける
あたしはもう飯炊き女みたいなもん
でも臭いおちんちんを嗅いでそれが幸せ
世の嫁らよ
亭主の浮気がわかっても騒ぐんじゃない
静かに酒を飲んで
黙って亭主の足を揉め

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