【セルフライナーノーツ】アークソング

これは10年くらい昔からあった歌でいつかレコーディングしたいと思っていたのですが、2020年2月のライブハウスでのクラスター騒ぎ、そしてミュージシャン叩き(というかこれはマスコミが煽っただけと思ってますが)それをきっかけに今、録音するしかないと思いました。

まさにアレンジャーであるハシグチカナデリヤはその渦中の渦の真ん中にいたわけですから。

起きてしまった嫌なことを笑い話にするような気持ちで収録曲に加えました。

笑い飛ばしてほしい人が自分のまわりにはたくさんいたから。

ミスチルを聴いて育った世代にはたまらんアレンジです。

もちろんその潮流の中にもカナデリヤ節である速いパッセージのベースラインなんかが見え隠れして「ならでは」の味が滲み出ています。

(余談ですが、この曲は最初のテンポ出しを間違うと人間には弾けない速さになるので、いろんなことが終わります。)

歌詞はもちろん現実世界を土台にしつつ箱舟やパラダイスをテーマにしたものですが、

「一日が24時間で乗り込んだ電車が25時」

というくだりが特に気に入っていて東京は中央線沿いに暮らさなければ出てこなかった歌詞の気がします。

箱舟やパラダイスといった単語が出てくるので、どこか今とは別の場所に行きたい人間を主人公にした歌に聴こえるかもしれませんが、実際はその逆で、楽園なんてものは自分で思っているよりも近いところにあるんじゃないかなと思って書きました。

聴いた人の心がそんな場所に着地できますように。