【セルフライナーノーツ】deeper deeper

ということでアルバム「deeper deeper deeper」のセルフライナーノーツも最後の曲となりました。

ホームページにて通販もやっているのでよろしくお願いします。


コロナ禍を経て、自分にとってのその時期に味わった絶望も、それを越えていくための描いた希望もなるべく正直に詰めた曲です。

そしてこの曲が自分にとって今のところ最後に書いた曲(現時点での最新の曲)となります。


この曲について語る前に昔話とこれからの話をしたいと思います。(この曲を説明するのに必要な気がするので)


自分は1999年にバンドを組んでそこからずっとバンドがなくなったり誰かとまたバンドを組んだりを繰り返して、今は一人で落ち着いたので、しかるべき時に一緒に音を鳴らしてくれる仲間を集めてステージに立ったりしています。

その一番最初に組んだバンドのふれ込み、売り文句は「どこか懐かしいのに新しい音がするバンド」というものでした。

これは周りの支えてくれたスタッフやら宣伝チームが考えただけではなくて自分としてもそこを相当意識して曲を作りアレンジもしてました。

「懐かしい」かつ「新しい」という音楽を作りたいという意識です。


コロナ禍のあふれるほど持て余した時間の中で音楽の勉強、理論的なことも物理的なことも実際的なことも一から学び直しました。

本当にたくさん勉強をしたし、なんなら時間が足りなくてもう少し時間が欲しいとさえ思ってました。

色んな知識を得て思ったことはここで一度自分の原点に立ち返ってみようという思いでした。

それは、さっき書いたとおりの「どこか懐かしいのに新しい音がする」音楽です。


ということで「deeper deeper」の曲の話に入りますが、使った楽器やらのソフトは全てレコーディング当時の最新のソフトです。

(もちろん新しいものが全て正しく良いというわけではないのでそこは吟味した上で選択しましたが。)

でもイントロが流れた瞬間に古い時代の音楽が流れたような感覚になるように音を作り込みました。

もちろん2024年の現在で流れていても違和感がない低音の鳴り方をしてる上で。

昔の音楽はもっとゴソッと低音がなかったりしますから「deeper deeper」は古いのにドッシリしてるヘンテコな音の響き方です。

往年の名曲が今のサブスク時代に合わせて最新のマスタリングをされてる音に近い感じかもしれません。(実際に参考にしました。)


とにかく懐かしいと新しいを同居させたい。


そこに何がなんでも自分の生きる道を見つける。

そうです。

俺もやっぱり音楽の道で生きていくのに必死でした。

今もそう、いつも必死なんです。


この曲を作る上で、自分は語りをしたいわけでもラップをしたいわけでもありませんでした。

自分にとっては「ラップみたいなもの」でがこの場合の正解でした。

なので韻を踏んでいません。

あえて全ての段落で韻を踏まないように(踏んで聴こえないように)気をつけました。

でも日本語の持つ発音の「かど」をリズムトラックにのせてサナダヒデトでしか感じないグルーヴみたいなものを大切にフレーズを作ったし、録音も苦労しました。

録音がノッてくるとどうしても韻を踏んでるようになってしまうんです。(音楽はやっぱり楽しいから。)

最後の高揚してるパートの手前でやっと音楽としての盛り上がりを匂わせるくらいのアレンジですが、そこまではジッと我慢しました。

本来は長い曲を作るのは嫌なのですが、この曲に関しては尺も気にせずに曲を優先して作りました。(普段は曲よりも尺の短さ優先してます。)

自分の中のセオリーみたいなものを犠牲にしても作りたい作りあげたい曲でした。



歌詞に関しては、語れば語るほど世界観を限定してしまいそうな気がするので、読んだ方や聴いた方がそれぞれの思いを巡らせてもらえたら嬉しいです。

道端で宴会

がどこの道端だとかそういう具体的なイメージもあったし、それをメロディに乗せる技術もあったけど、あえてしませんでした。

もちろん具体的なワードを並べていく限定的な手法の方が現代的な手法であるとわかった上で。

なるべく聴いた人がそれぞれに描ける景色があるように、それぞれの絶望を忘れないように、そしてその絶望を越えていくための希望を抱けるように。

具体的と抽象的の自分なりの真ん中を探して書きました。



この数年は辛いことがたくさんありました。

たくさんの別れがあって涙の夜をたくさん越えました。

自分だけではなく、みなさんも誰に知られることもなく泣きながら越えた夜もあることでしょう。


それとは別で幸せな気持ちになることもたくさんあったし、強くなったと今ではやっと思えます。


絶望するような夜は好む好まざるに関わらずやってくると思います。

生きてるって厳しいから。

だとしても自分は歌い続けるでしょう。



それでも人生は素晴らしい





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