【セルフライナーノーツ】スマイル
アルバムに少しでも興味を持ってもらえたらと思って始めたアルバム「deeper deeper deeper」のセルフライナーノーツですが、いよいよ終盤です。
11曲目に収録されているのはスマイルという曲です。
自分はシンプルなタイトルほど良い曲を書くのが難しいと思っています。
そういう意味ではこの「スマイル」というタイトルはほぼ無理ゲーに挑戦したのと変わりないくらいの難易度です。
それはそうです。
さぁ笑ってと言われて笑えるほど人間は簡単には出来ていないですから。
でも聴いてくれた人が、そして歌ってる人間が笑えるようにとの願いを込めて作りました。
笑えないことを書き並べていきました。
色鉛筆を買ってもらえなかったこと、仲間外れにされたこと、自分のやりたいことにケチをつけられたこと、言いたいことが言えなかったこと。
笑えないことを知ることで笑い方が見つかるような気がしました。
直接的な笑い方というのは見つけようと思って見つかるものでもないですから。
嫌なことを潰していく作業は近道のようでいて穴の開いたバケツで水をかき出すようなものかもしれません。
生きている上で嫌な出来事というのは夏の雨のように降り止むことを知らないからです。
それよりも嫌なことに負けない強さや、もしかしたらそれよりも嫌なことがあっても許してあげられる優しさを身につける方が早いような気がします。
この「スマイル」というのは優しくなりたいの人のための歌とも言えるかもしれません。
子どもにでもわかるように丁寧に書きました。
子どもに対して(行間を読んでくれ)なんてのは通用しません。
一から書き並べていくことで鏡をのぞいた自分にも説明するような気持ちに何度もなりました。
歌の最後で
どこへでも行けるけれど君のとなりにいたい
と歌ってますが、旅をした経験やどこへでも行ける強さがなければそんなことは言えません。
どこに行っても生きていける強さって憧れます。
どこへでもいけるけど、どこにも行かないって言い回しは自分の歌に度々登場します。
憧れが強いんでしょうw
ドラムの音は曲に対して正に理想的な音が作れました。
UVIのソウルドラムというソフトを元に作っていきました。
バスタオルを敷いてスネアを叩いたみたいな音です。
ここ何年かはこういう表面的には柔らかいけど分厚い音がとても好きです。
歌の話ですが、最初は掛け合いにしようと思ってました。
ぼくの大好きなスマイル!(スマイル!)みたいな感じで。
かなり悩んだけどやめました。
小島よしおさんの「そんなの関係ねー」を子どもたちが大合唱してる動画を見て、(歌いたかったら勝手に歌うよなー)と思い直して。
そうです。
歌いたい時は勝手に歌います(歌ってよさそうな雰囲気だったら)。
そんなもんですよね。
キーはGでシンプルな作りなんですが、演奏する時のコツとしては、Aメロは早くなりがちなのでゆったりめに演奏する意識で、Bメロは遅くなりがちなので早めに演奏する意識でやるといいです。
こういうゆったりした大きなグルーヴの曲をせっかちに叩くドラマーが多いような気がします。
なので大きなグルーヴを叩いてる人と会えた時は嬉しくなります。
それだけで白ごはんが食べられるくらい。
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