【セルフライナーノーツ】ash
ザ・マスミサイルというとても素敵なBANDがある。
素敵というかしこまった表現よりは「めっちゃいいぜ!BANDって!」みたいな口語的な表現の方が合う5人組です。
ライブバンドの魅力を言葉で説明するのは難しいので、ライブハウスの現場に行ってぜひザ・マスミサイルという塊を体験してほしいです。
そのフロントマンでありボーカルの高木芳基という人物がいます。
音楽を生業にして20年以上の人間はみんなそうなのだけど、この方ももはや妖怪めいた「凄み」みたいなものを身に纏っています。
一度弾き語りでツアーを一緒に回ったのだけど、その時に色んな面で自分との感性やら考え方やら何もかもが違うので驚いたことがある。
(そのツアーの時に歌っていた歌で「ガソリンくらいテメェで入れろ!」みたいに激情をぶち撒ける曲が特に自分には衝撃でした。)
その時から高木芳基さん(面倒なので以降は愛称であるよっくんで書きます)は自分とは違う人のリストに入ってます。
自分の6th album「deeper deeper deeper」の9曲目に収録されている「ash」という曲は、もし自分がよっくんだったらというたらればを元に書いた曲です。
よっくんを知ってる人に歌詞を読んでもらったところ「全然違うw」との指摘を受けてはいるのだけど、あくまで俺から見たよっくん像(ほぼ想像やね)を元に書いてるから違うのは当たり前で仕方ない。
大切なのはいつもの自分と違うロジックでものを書いたということ。
よっくんだったらこんな風に人を励ますだろうとか想像しながら書きました。
そもそもだけど、(誤解されないように書くのは難しいけど)俺は歌で人を励ましたりしない。
もしかしたら出来ないかもしれない。
俺に書けるのは一人でいるのがしんどい時にそっと一緒にいてくれるような歌です。
でも大丈夫だよ、頑張れよとか直接的な励ましが必要な場面があるってわかります。
不自然に自分で無理をして書くよりはよっくん様をこの身に憑依させて(あくまで想像上です)力強い歌詞を書こうと思って書いたのがashの歌詞です。
這いつくばって灰になってもくたばっちゃねぇだろ
みたいに普段のサナダヒデトの口調とは明らかに違いますw
よっくん様々です。
あくまで勝手な想像の上ですが。
どれくらい本物と違うのか、聴き比べてみてください。
(あ、なんとなくよっくんを感じるって言ってくれる人もいるにはいます!)
音楽の話になりますが、力強いストレートなメッセージとは真逆で、構成の覚えにくさがこの上なくキメだらけで、簡単なコードしか使ってないのにバンドでやるとなると激ムズです。
一番と二番と三番でアンサンブルの縦の作りがほんの少しずつ違います。
譜面だけを見てても一生合わないやつです。
めちゃ熱いバンドっぽい曲なのに冷静でないと成立しないというひっかけ問題みたいな曲です。
でもこういう曲に感情をのせて演奏できた時にたまらなく幸せな気持ちになる。
プロのミュージシャンっていいなーって叫びたくなる。
あの頃出来なかったことが出来るようになるってよくないですか?
人間は歳をとると昔は出来たことが出来なくなります。
流れのまんまで朽ちていくくらいなら少しでも抗いたいし、それが大好きな音楽のことで出来たなら尚更嬉しい。
俺らただくたばるにはまだtoo youngでしょ^_^
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