【セルフライナーノーツ】ダイヤモンド
アルバムも後半ですね。
9曲目になります。
「ダイヤモンド」。
この曲は植田健一くんとUESAという二人組を始めた時に書いた曲です。
なので出来たのはもう10数年前になりますかね。
いつかは音源にしたいと思っていたのだけど、なかなか良いタイミングがなかったのです。
コロナ禍の緊急事態宣言の真っ只中に札幌のすすきのに行った時にアルバム収録を決めた気がします。
暗いまんまのすすきのの夜の街でタクシーだけが黒い口を開けて待っている、どこかのホラー映画のワンシーンみたいなその様子に驚いて、せめて歌の中くらいは光の雨にまみれたいなと思ってました。
この曲も想定してた出来上がりと上がってきたアレンジが違っていて何度もやりとりしてハシグチカナデリヤくんには苦労をかけましたね。
ただこの曲もギターソロは最初からバッチリだったから興奮しました。
(多分ギターソロに関してはこのアルバムでは一回も口を出してません。もちろんそれ以外の部分も自信はたっぷりありますが、それはそれとしてこのアルバムは素晴らしいギターアルバムでもあります。)
曲の後半から愛するグレッチの音が少しだけ入っているのですが、すごく時間がかかった気がします。
ただの一分の長さの録音に丸一日かかりました。
でも今になって聴いてみるとその少しだけのグレッチの音はないとダメなんです。
確かに必要なんです。
音楽は不思議です。
ハッキリとしたストーリー性を持って書いたわけではないので、ハッキリとは言えないのですが、おそらくは別れの曲なのだと思います。
(自分で書いた曲なのに思いますという言い回しはおかしいかもしれませんが、音楽はそういう言い回ししか出来ないもののような気もします。すみません。)
別れの曲なのに不思議と歌っていて元気があとから湧いてくるような感じになります。
ミュージシャンとして生きていて、時々、辛い事があった時に自分の書いた音楽や詩が自分の元に帰ってきて励ましてくれる時があります。
自分の体験した事や自分の残してきた足跡が大きな時差をもって自分の自信になったりする事はみなさん、誰しもある事ではないでしょうか。
あの時楽しかったな、またあんな日がやってくるように頑張るか、そんな風に思うのって自分は健全な事だと思います。
たくさん働いて、よく遊んで、疲れたら夢も見ずに寝るといい。
そんな当たり前が色んな街々に溢れていますように。
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