消滅可能性自治体 2050年の大多喜町へ-後編【2050年の大多喜無敵探検隊-02】
車は圏央道の市原鶴舞インターを降りたのち、広域農業区画と里山を交互に過ぎ、やがて峠道の連続ヘアピンカーブが続く羽黒坂にさしかかった。ここを越えたら大多喜町、外房市の大多喜町だ。市原市と大多喜の境目には、今でも本多忠勝と大多喜城が描かれた看板があるが、経年劣化でボロボロだ。まぁ自治体の予算がなくて修繕が後回しになっているんだろう。
車は羽黒坂をおりると、そのまま滑るように国道を流れ、ほどなく横山交差点に差し掛かろうとしていた。
不意に穏やかな女性の声が語りかけてくる。
「マス