昨今の芸能界の不祥事の数々について

フワちゃんがSNSで不適切投稿をして、活動休止する事態になった。
ラジオは降板になり、Google pixelのCMは非公開になるなど、売れっ子だっただけに多方面に影響が出ている。
私は正直、こんな大ごとになるとは思っていなかった。
世間の人が「許せねえ」ってなってる温度感とはまるで違う感触を私は感じていた。
えっ?えっ?ってなった。
活動休止??ラジオ降板??そこまで追い詰められなくちゃいけないの??
今まで数々の芸人が自身の不祥事を自身のラジオで謝罪してきた。
その謝罪する場すら奪われるなんて。
(もちろん内容が内容なだけに許せるものではない。
私も過去に人から「死ね」と言われ、本気で死のうと思ったことがあり、その相手の発言は未だに許せないし許していない。
死ねと言われる人間の気持ちはわかる。
それを許さなくていい!ってなる人の気持ちもわかる。だけど…)

この一件で、私は危機感を感じた。
世間の人と、芸人の価値観とのズレ。
そのズレが大きくなってきていることを感じた。
基本的に芸人はボケで思ってもないことを言ってしまう性分である。
芸人同士はそこを理解している。
だけど、世間の人たちはそうじゃない。
いやいや、やっていいことと悪いことがあるでしょ、って線引きしてる。
いくらおもしろかったからって、ボケだからって、常識から逸脱したらアウトでしょって。
芸人がこの件に関してあまり多くを語らないのは、フワちゃんを擁護したいが、擁護すると今度は自分が叩かれると思っているからだと思う。
そして多くの芸人は、世間の人とのズレを危機感として感じ、恐怖を抱えていると思う。
(これは私の予想だけど)

ランジャタイの伊藤さんが未成年の女性と関係を持ったことが発覚し、活動休止になった。
伊藤さんは相手から年齢を偽られていて、身分証明書を偽造されていたという。
身分証明書偽造されてたら無理ゲーじゃね?と思った。
なのにそれで活動休止ってかわいそすぎる。

フリーアナウンサーの川口ゆりさんさんが男性の体臭についてSNSに投稿し物議を醸した。
所属事務所からは契約を解除された。
体臭きつい人のこと、女の子みんな裏では言ってるでしょって思っちゃう。
なのにその発言一個で契約解除されちゃうなんて。

私は個人的にウエストランドの河本さんの不祥事の後の対応が好きだった。
活動を自粛せずにオファーが来たものはしっかりやる、というスタンスでお仕事をこなしていた。
さすがタイタンは良い事務所だと思った。
オファーをするしないは不祥事を行った本人が決めることじゃない。先方が決めることだ。
先方からのオファーするしないの返事を待たずに自ら活動休止します、はなんだかモヤモヤする。
クビならクビで、それでも出てくださいなら出てくださいで、その度に謝ればいいし批判の言葉を真正面から受け止めればいい。
おそらくそっちの方がつらいことなのだ。
活動休止は批判や謝罪から逃げることであり、活動休止せず働き続けるよりは精神的に楽な気がする。(活動休止もだいぶきついだろうけど)
そんな状況に置かれたことないからわからんけど。

日本には切腹の文化があった。
これは海外の方からすると意味がわからないらしい。
戦時中も日本は特攻なんてやっていたけど、これも海外からすると「ハァ?日本人こわっ」ってなる。
捕虜になった時も日本は「恥を受けるぐらいなら死ね」と教育するのに対し、アメリカでは「とにかく生きろ」という違いっぷり。
どちらかと言うとアメリカの考え方の方が圧倒的に合理的に感じる。
実際アメリカが戦争には勝っているし。

令和の日本にも、この“切腹”の文化は脈々と受け継がれているように感じる。
何かミスをした時に自害する精神。
みんなミスをすると「やめます!」ってなる。
日本人のDNAにはそう組み込まれているんだろうか。

今年の初め、映画『ゴジラ-1.0』を見た。(めちゃくちゃネタバレ書くけど)
時代背景は戦後の日本。
主人公の神木隆之介は、特攻兵だけど生き残って帰ってきた戦争兵士。飛行機の操縦ができる。
日本にゴジラが上陸し、彼は自身の飛行機操縦の腕を活かしてゴジラと応戦することを覚悟する。
ゴジラと戦う時に、彼は飛行機に乗ってゴジラの口めがけて特攻をする。
みんな彼が死んでしまったと思ったけど、次の瞬間、パラシュートでハラハラと落ちてくる。
彼は死ではなく、生を選んだのだ、と分かる。
私はこの展開にとても感動した。

こっちの方が今の時代に合ってるのではないか。
泥臭く生きるという選択をしていいじゃないか。
その方がいいじゃないか。
死ぬのがカッコいいなんて誰が決めたんだ。
切腹なんて江戸時代みたいなこと、令和の時代までやることない。
パラシュートを使ってハラハラと落ちてきたらいいじゃないか。
死ではなく、生を選んでいいじゃないか。

何かミスをして全員死を選んでいたら、いずれ芸能界には一人も芸能人がいなくなると思う。
ゴジラ-1.0の神木隆之介のような選択肢をする人が増えてほしいし、それが普通になってほしい…。
と炎上からは程遠い売れてない地下芸人がコッソリ考えるのであった。


※不祥事を擁護するものではありません。
やっちゃいけないことはやっちゃいけないことです。そのことに関していいじゃないか!とは言っていません。

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