子どもの頃のアンタッチャブル

物心ついた時からずっとお笑いが好きだった。
特に漫才。
ガッツリM-1グランプリの世代なので、漫才ってカッコいい!ってしっかり影響を受けている。
うちらの世代は多分逆のコントに影響を受けてる人もいるだろうが、私は漫才だった。
漫才が好きだったので、コントは食わず嫌いしてたというか、実はあんまり子どもの頃は見ていない。
コントより漫才の方がおもろいでしょ!絶対!って決めつけて、そもそもあんまりコント番組などを見ていなかった。
ようやくコントを見るようになったのは10代後半になってから。
だいぶ遅咲きである。
コントを見るようになって、コントもおもしろいじゃん!なんだよ!もっと早く言ってよ!って、誰かよくわかんない人に文句言いたい気持ちになった。
でも今も、コントと漫才どちらが好き?って聞かれると、コントも好きだけどやっぱり漫才の方が好きだ。


私が子どもの頃に見ていた漫才の記憶を辿ってみる。

M-1グランプリ第一回目の放送は、2001年。
実はこの大会はリアルタイムで見ていない。
後々DVDで見るけど、リアルタイムで見た記憶はない。
M-1グランプリを家族で毎年見るようになったのは、2002年の第二回目の大会からだったと記憶している。
私は1996年生まれなので、6歳の時。

第3回目の2003年のフットボールアワーさんぐらいからは記憶がある。
フットさんのネタは子どもでもわかりやすかったし、おもしろくって好きだった。
フットボールアワーさんが出てくると「あ!おもしろい人たちだ!」ってワクワクしていた記憶がある。

あと、笑い飯さんも大好きだった。
笑い飯さんは漫才の設定が子どもでもピンとくるものになっているし、テンポも見やすい。
後半は早くなるけど、徐々にスピードアップしていくので、子どもでも最後まで置いてかれない。
めちゃくちゃ笑って見てた。

千鳥さんは、大悟さんが親戚のおじさんに似てて、方言も岡山弁で、母親の地元が山口なので言葉も近く、すごく親近感を持って見ていた気がする。
当時のネタの印象は正直あんまりない。
ネタがおもしろくて好き!で見てたみたいなイメージはなくって、親戚のおじさんに似てる人出てきた!なんか落ち着く!みたいなイメージだった。

スピードワゴンさんも好きだった。
子どもの頃、特に小沢さんが好きで、あのボケ方が好きだった。
井戸田さんのツッコミで「小沢さん、ブラジルの黄色いお菓子より甘いよ」っていうのがあって、これは好きで子どもの頃真似して言ってたと思う。(M-1でやってたかは定かじゃない)
このツッコミは未だに覚えている。
ブラジルの黄色いお菓子がなんなのかはよくわからないけど、でもとにかくめちゃくちゃ甘そうっていうのはわかるっていう。
このツッコミはすごい気に入ってた。

2丁拳銃さんも好きだった。
M-1の時にやっていた「ハンバーガーのピクルス抜いてください」っていうネタがめちゃくちゃ好きで、ハンバーガー屋に行くとピクルス別に嫌いじゃなかったのに抜いてた。
にちょけんさんに憧れてたさな少女はピクルス抜くのがカッチョいいと思ってた。
今考えると何に影響受けとんねん、だ。

そして2004年に優勝したアンタッチャブルさん。
実は当時リアルタイムで見ていた時は、テンポが早すぎて何をやっているのか全く理解できていなかった。
だけど、とにかくめちゃくちゃおもしろいことをやっているというのはわかるから、それが何かをめちゃくちゃ知りたくて、テレビに釘付けになって、すっごく集中して見ていた記憶がある。
なんだかよくわからないけど、めちゃくちゃウケている!今何が起こったの?何がおもしろかったの?と疑問に思う間に、また次のボケがめちゃくちゃウケている。
今のは?今のは何が面白かったの?
まためちゃくちゃウケてる!
なんで?なんで??
ずっとアンタッチャブルさんの漫才中、当時の私はこんな感じだった。
だけど、何をやってるのかわかんなかったけど、おもしろいことが起こってるっていうのは理解できるから、4分間ずっと見てられたんだよな。
なんかアンタッチャブルさんの4分は体感めちゃくちゃ早かった気がする。
大人になってからアンタッチャブルさんの当時のネタを見て、こんなにおもしろいことやってたんだ!ってなった。
ちゃんと理解できて、笑えるようになって嬉しかった。

けど今思うと、あの、テレビに釘付けになって、貪欲におもしろいことを吸収しようとしていたあの時代はすごくよかったと思う。
何がすごくよかったのかはあんまりうまく言えないけど、それがあるのとないのとでは、微妙に何かが違っていた気がする。
今の子たちは、当時の私のように、食い入るようにテレビを見たりすることはあるんだろうか。
何がおもしろいのかはわからないけど、めちゃくちゃおもしろいことやってるっていうのは理解できて、それが何か知りたくてむしゃぶりつくようにテレビに熱中するっていう。
その記憶がある私は最後のテレビっ子なのかもしれない。
そういう記憶があるっていうのは、なんだかんだ恵まれてる時代に生まれてきたんだと思う。

テレビはオワコンだなんて言われるけど、
何が起こっているのか全くわからないけど、めちゃくちゃおもしろいことをやってるっていうのは理解できてて、それが何かを知りたくて一生懸命テレビ見るっていう、
そして大きくなって、もう一度そのネタを見て、こんなおもしろいことやってたんだ!って理解できた時の喜びとか、
そういう体験を今の子たちにもしてほしいなあ、なんて、おばさん思っちゃう。






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