これからローカルAI画像生成にトライしようとしている方向け、PCの選び方のヒント(2024年4月現在)

ローカル勢が思ってたより少ないようなので、これからトライしようかと考えている方向けにちょっとだけ知ってる事を書きますね

【注意】こちらの文章の内容はさんすいの主観が多々含まれています
    あえて説明をはしょったり、分かりやすくするため不正確な表現に
    なっている箇所があるかもしれません

1.Windows or Mac どちらがいいのか

これは断然Windowsをおすすめします
情報量が多いので、検索すればなにかしらひっかかります
また、画像生成AIで重要になるNVIDIAのグラフィックボード(NVIDIA RTX ●●●●って書いてるやつ)はWindowsでしか使えず、画像生成系のAIはNVIDIA製のグラフィックボードに最適化されているケースが多いです
ちなみに、M1/M2チップ搭載のMacboook Proならそれなりの生成速度で生成できるらしいですがあまり詳しくないので気になる方は調べてみてください

2.デスクトップorノート どちらがいいのか

個人的には、環境を整えられるならデスクトップをおすすめします

デスクトップを選択するメリットについて

・拡張、パーツ交換が割と簡単

 グラフィックボードは年に一回くらい世代交代があり、2世代(2年)くらいで陳腐化するため、交換が必要になると考えておいた方が良いと思います
 この際、ノートPCだと基本丸ごと買い替えになります
 ※外付けのGPUBOXなんていうのも最近あるにはありますが、現時点ではフルで性能が出るものではないのと、選択肢が限られてしまいます

 生成用のモデルファイルや作った画像を保存しておく記憶領域(ハードディスク、SSD)なんかの追加も比較的簡単です
 USBポートを使った外付けのハードディスクなども割と安価に入手できますのでノートでも対応はできますが、本体とハードディスクを一緒に移動するのではノートのメリットである携帯性という利点が無くなってしまいます

・排熱関係

 AI画像生成はグラフィックボードの性能を割と限界近くまで使うので、それなりの熱量が発生します

 熱によって起きるデメリットとして
 ・高熱になるとPC内部のパーツがダメージを受ける
  結果としてPC全体の寿命が短くなります
 ・熱によるダメージ軽減のため、高熱になるとあえて性能を落として熱の
  発生を抑える(サーマルスロットリングといいます)
 の2点があげられます

 PCから発生した熱を下げる仕組みとしては、基本的に内部の熱を外に逃がし、外気と交換して冷やす方法しかありません
 ノートPCは製品としてそもそも重さと大きさに制限があるので、発生した熱を逃がすのが割と不得意で発生した熱によってPC本体にダメージを与える可能性があります
 この辺はメーカーも把握しているため、高スペックなノートPCの製品ページを見ると必ず排熱に関する記載がある=それくらい気を遣う必要がある部分ということになります
 デスクトップでも同じように熱が出ますが、ケース内のスペースには余裕があることが多いですし、高スペックのものはPCケースの外にしっかり熱を逃がす仕組みがあるのでちょっとだけ安心です
 ※ただし部屋の温度は確実にあがりますw

3.何を買う?いつ買う?予算?

・何を買う?

 画像生成AI用にPCを選ぶとしたら、もっとも重要なのはグラフィックボードです
 まず前提知識として、グラフィックボードの型番などについて簡単に説明しておきます

 NVIDIA RTX 4080 Ti 16GB
         ↑   ↑   ↑     ↑
        ①    ②    ③   ④

 いざ選ぼうとするとこんな標記がでてくると思います
 
 ざっくり説明すると

 ①の数字:搭載しているテクノロジーの世代 2024年4月現在、最新は「4」です(4000番台、みたいな呼び方をすることもある)

 ②の数字:9が最高性能、8がその次で、7,6,5と数字が少なくなる
      に従って性能が低くなります
      生成AIで使うなら6以上のもの(〇060)を選びましょう
      5のもの(●050、●650みたいなの)は本当のエントリー
      モデルなのでAIには不向きです
      9、8のものがハイエンド 4080,4090,3080など
      7が準ハイエンド     4070,3070など
      6がミッドレンジ     4060,3060など
      とカテゴライズされることが多い(気がします)
      また、性能が良いものほど排熱が多く、電気代がかかりますw
      あと、強力に冷却する必要があるため、強力なファンが付いて
      おり音がうるさくなる傾向にあります

 ③の記号:Ti、SUPERなどの記号が付いているものは、同じ番号に
      比べて性能が向上しているモデルを指しています
 
 ④の数字:VRAM(グラフィックメモリ)の容量です。
      書いていないものは、そのモデルの設計上の最低容量を搭載し
      ていると思ってよいです(詳細を確認すれば大体わかります)
      大きい方が良いですが、最低でも8GBはあった方が良いです
      (おすすめは12GB以上)

      容量が大きいと、大きい画像を作るときやバッチ処理などで一
      度に作れる枚数が増えます

最初は大手メーカーやPC SHOPなどの既製品を買うのが良いと思いますが、一つだけ注意点があります

 それは電源の容量です

 デスクトップをお勧めする理由のところにも書きましたが、グラフィックボードについては2~3年に一回程度の頻度で陳腐化し交換が必要になると考えてください
 その際、初期についている*電源パーツの容量の関係で
 ・ハイエンド(8、9番台)のグラフィックボードを搭載しているPCにはハイエンドのグラフィックボードを乗せ換えることができる可能性が高い(もちろん絶対ではないですが)
 ・準ハイエンドやミッドレンジのPCには、新世代のミッドレンジクラスしか載せられない
 というケースがほとんどです
 ミッドレンジのグラボを搭載しているPCは、ちょっと使ってみてもっといいグラボに変えようかな~となった時に、電源ごと交換しなければならなくなります(例えば3060→4080に変えたい、なんて時)

 この辺りも考えておくと後悔が少ないかと思います

・じゃあ4090 24GBとか買えばいいの?

 基本的にはその通りです
 予算が潤沢にあり、置く場所もきっちり確保できるなら、最高性能のものを買っておけば問題になることはあまりないでしょう

 が、正直生成AIだけのためにハイエンドPCを買うのはもったいない気がします

 今からそろえるのであれば、最低限
 ・VRAM 12GB以上 
 (3060 12GB、4060Ti 16GB、4070 12GBあたり)
 ・メインメモリ 32GB以上
 のものを選んでおけば当面は使えるのではないでしょうか
 
 この辺りのスペックのPCであれば、WebUI ForgeでSDXLでも余裕で動きます
 SD1.5で大体画像1枚(512x768→HirFix 1024x1536)20~40秒くらいで生成されます
 電源の関係で将来の拡張性という面ではちょっとアレですが、多分1年半くらいは戦えますw 

・予算について

参考に、価格.comの比較をのせておきます(2024.4.11現在)

 4080 16GB
 https://kakaku.com/pc/desktop-pc/itemlist.aspx?pdf_Spec115=285,301&pdf_Spec317=11-
 40~

 4070 Ti SUPER 16GB
 https://kakaku.com/pc/desktop-pc/itemlist.aspx?pdf_Spec115=300&pdf_Spec317=11-
 33~34くらい?

 4070 12GB
 https://kakaku.com/pc/desktop-pc/itemlist.aspx?pdf_Spec115=292&pdf_Spec317=11-
 20~22くらい?

 4060Ti 16GB
 https://kakaku.com/pc/desktop-pc/itemlist.aspx?pdf_Spec115=293&pdf_Spec317=11-
 20~22くらい?

 3060 12GB
 https://kakaku.com/pc/desktop-pc/itemlist.aspx?pdf_Spec115=200&pdf_Spec317=11-
 16~18くらい?

 ことAI関連に限っていえば、ビデオメモリ16GBの4060tiが圧倒的にコスパがいいです
 AI用途であれば、チップの性能よりビデオメモリの容量の方が効いてくるケースが多いので必要十分だと思います
 ※実はこのグラボ、**ゲーマーにはとても不評です
  
  同じ型番(4060Ti)で8GBのモデルもありますので、選ぶ場合は間違えないよう注意してください

 この他に、基本的にはディスプレイが2~3万円、その他の小物が1万くらいかかると思います
 ちなみに、グラボありのPCなら、2画面あると作業効率が上がりますので余裕があればディスプレイがもう一台あるとベストです

・いつ買う?

 購入タイミングの話ですが、2024年4月現在、年末までにRTX5000番台が登場するという噂があります
 通常の発表順ではハイエンドモデル(5080,5090?)→準ミッド(5070?)→ミドルレンジ(5060?)の順になるので、最後の5060は2025年の春辺りが有力です
 新モデルが出ると既製品は安くなる傾向ですので、そこまで待つ、というのも一つの戦略ではあると思います

 RTXは2000番台から3000番台に上がった時に顕著な性能向上があったのですが、3000から4000にモデルチェンジした時には期待されていたほどの性能向上がなく、5000番台ではまたがっつり性能が上がるのでは、と言われてます
 クラウドやアプリなどでしばらく様子をみて、5000番台の性能を見てからでもいいかもしれません

4.その他のスペック

 AI生成に対する影響はグラボ以外あまりありませんので、正直あまり気にしなくていいと思います
 CPUはAMD製(Ryzen)よりIntel製(i7とかi9)の方がNVIDIAとの相性はいいと言われていますが、ほぼ誤差です
 メインメモリは32GBあるとその他の作業が快適になります
 記憶領域(SSD、ハードディスク)は最低1TB(テラバイト)は欲しいです
 ローカルだとモデルを保持する必要があるので、新しいモデルを試したりLoraの作成をしたりするとあっという間にスペースを使いつくします
定期的に整理しましょう

想定していたより長文になってしまいました、すいません
読んでいただきありがとうございました

 *4080/4090クラスでは1000Wの電源が必要、4070/4060クラスでは750W、前世代の3080で750Wの電源が必要でした
 **先行でRTX 4060 Ti(8GB)という製品が販売されていましたが、16GBに増えて価格も上がったのに性能は横並びだった…


【注】この下には何もありません

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