エジプト旅行記〜パピルス編〜
これはこちらのマガジンに収録されているシリーズの第13話です。
パピルスのお店
一行は再びツアーバスに乗り、パピルスのお店に向かう。
めちゃくちゃ冷房が効いていて、生き返った感じがした…。
お店に入るや否や、黒いカーテンで仕切られたスペースに通される。
と思っていたら、これまた、日本語ペラッペラの店主が登場し、パピルス(原料)をパピルス(紙)にするための工程を実演し始めた。
ツアー客にハンマーを持たせパピルスを叩かせてくれたり、パピルスの穂を触らせてくれたり、ジャパネット高田も顔負けの実演である。
「パピルスができるまで」の解説を終えた後は、壁にかかっている絵柄の説明。
死んだ人が天国に行けるかどうか審判を受ける場面の壁画だったり、幸福の木だったり、星座のモチーフだったり…。
サイズにもよるが、中くらいのサイズでも、日本円で数万円レベルの品である。
一番小さいサイズで1万円台くらい。
サンは、買う気持ちになっていなかった。
しかし、次の瞬間である。
店主がブースの照明を消した。
なんにも珍しくない、ただの蛍光塗料である。
エジプトマジックだ…
暗闇で光るパピルスが急に欲しくなってしまったサンは、
この後、可愛い若い女の子の店員さんと値段交渉バトルを繰り広げることとなった。
ついに初の値段交渉だ…!
値段交渉なんかしたことないくせに、いきなり大胆にも1万2,000円を5,000円まで下げさせようとするサン。
ガイドさんには、値段交渉する時は「高い高い」と言いながら首を横に振れと教わっていたので、その通りにやった。
「やっぱ買えないヨ〜」などと言って諦めて店を出ようとしてみる。
だんだん、胸が痛んで申し訳なくなってくる。
ところが、最後、店長に値引きの許可を得て、また店員の女の子が駆けてくる。
「お客サン! 6,000円! 6,000円でドウデスカ?!」
無事交渉成立し、最後は握手。
店員さんと、ツーショットの記念撮影までして、笑顔で店を後にした。
日本に帰ってきて、開けてみると、
そっと筒に戻したサンなのであった。
シシ神の森に住む母さんにあげようと思う。
森のインテリアなら合うかも、しれないから…
次は、エジプトの食事とホテルの紹介!
花嫁にもなれず、総合内科専門医にもなりきれぬ哀れで醜い可愛いサンをサポートしたいという気の触れたこだまたちはおらぬか!