見出し画像

沈みゆく国

みなさんのご存じのとおり、現在世界は地球温暖化という深刻な問題を抱えていることは周知の事実です。

その影響は全世界に広がり、今や地球という文明への悪影響も懸念されています。

太平洋に浮かぶ島国ツバル。

「世界で最も日の出が早い国」でありながら「数十年後には沈没してしまう国」。
その原因として真っ先に挙げられるのが地球温暖化です。
地球温暖化は様々な影響をもたらすと言いましたが、その一つとして海面の上昇が挙げられます。
その仕組みとしては、地球全体の温度が上がり海面が暖められます。
そうすると海は膨張してその体積をますのです。

また北極やグリーンランドなどの高緯度の地域にある氷河が溶けてしまうことも大きな原因の一つとされています。

こうした地球温暖化の影響が表れ始めたのは産業革命後の19世紀ごろから。
産業革命によって石炭や石油などの化石燃料が大量に使われはじめ、それによって地球に急激な変化をもたらしました。

その影響は計りしれません。

産業革命が起きる前の海面上昇率は年間およそ0.2mmほどだったとされています。
産業革命後の19~20世紀ごろのその海面上昇率は最大で2mm程度に達しており、急激な海面上昇が数字から見てとれます。

いまから過去100年間の海面の上昇幅は20cm程度とされていますが、これから世界的な人口増加なども重なりさらにその上昇スピードは加速するとされています。

先ほども言ったようにこうした海面上昇の影響で一つの国がまるまる沈んでしまう、ということが現実に起ころうとしているんです。

インドネシアやフィリピンといった東南アジアの国々の東に位置する島国ツバル。
テレビやネットの記事では「沈没する国」として取り上げられることもたびたびあり、大きな注目を集めています。
そういったメディアの報道上ではまるですでに沈んでいるかのような写真や動画が流されますが、あれらの情報は正確には雨などによる大洪水や大潮の時のものです。

とはいえ海面上昇の影響は間違いなくあり、海水が地下水に流れ込んでしまうといったことも起きています。
日本では蛇口をひねれば出てくる水がツバルの一部地域では貴重な資源とされていることも珍しくありません。

さらに、現在のスピードで海面上昇が進めば2050年には国土のおよそ8割が沈んでしまうこともありえる、ということも分かっています。

現在はまだ報道されているほどの危機的状況ではないにしても将来、住めない国になってしまうことも十分に考えなくてはいけません。

地球温暖化の主な原因とされている二酸化炭素。
二酸化炭素のほとんどは中国、アメリカ、インド、日本といった先進国から排出されているのをご存じでしょうか。
対してツバルの排出量は一人当たり年間0.5トン。
これは上記の先進国の1/15~1/20程度です。

つまりツバルは今できる限りの温暖化対策はなされているわけです。
世界の国々の発展のしわ寄せがこの国に寄せられているんです。
そんな国が自国の水没の可能性を考えなきゃいけないなんて何か変ではないでしょうか。

いずれ、もっとその進行が進めば「水没」はツバルやキリバスといった島国に限った話ではなくなってきます。
実際、インドネシアの沿岸部の一部地域では影響が出始めています。
多くの農村が水没によって農作物を作れるような環境ではなくなってしまっており、そのような農地で暮らしていた人々は今崖っぷちに立たされています。

日本も例外ではなく、もし海面が現在より1メートル上昇しただけで東京の江東区、葛飾区、墨田区といった地域の全域で影響が出るとされています。
さらには全国の砂浜の8割が失われ、今あるビーチはそのほとんどが海に沈むことになります。
「ツバル沈むって、、!」などと言っている暇ではなく、明らかに他人ごとではありません。

こういった事実を一人でも多くの人々が知ることがまず最初に必要なことだと思います。

今はまだ一人一人に危機感がちゃんとある、と確実に言えるような状況ではありませんのでそれぞれが明確に認識して向き合っていくことが大切です。

募金活動やボランティアなど、様々な活動をしている人が世界にはたくさんいますがそういった人たちはまだ弱く認知すらされていないような人がたくさんいます。

ですから当然ですが世界規模での取り組みが必要になってくると思います。

前記事でも書いたことがありますが、目の前に起きていることばかりが問題とは限りません。
その問題が起きた原因から根本的に改善しなくてはいけません。

そのために人類の生き方や考え方から変えなくてはいけないんです。


まずは今世界に起きていることを認知して、考えてみましょう。

そして必要なことを少しずつ少しずつやっていくんです。


僕らのちからで現状は変えられます。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?