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車と腕時計とYシャツと私6

しかし、ほどなくしてロレックスのサブマリーナーの格好よさにハマり、興味は回転ベゼルを持つダイバーズウォッチに移って行きました。
もちろん、サブマリーナーはおいそれと手を出せる価格ではないので、まず思ったのは、それまで考えていたつながりでチューダーのブラックベイフィフティエイトでした。サブマリーナー同様ノンデイトなのもいいし格好もいい、しかし高い。定価以上で取り引きされている状況に、さすが人気も兄弟ブランドのロレックス譲りだなあと感心しつつも気持ちは萎えていくのでした。

次に気になったのはロンジンのレジェンドダイバー。サブマリーナーとは全く異なるデザインに独自性が感じられてステキです。ただ、個人的な好みとしてデイト表示がないほうがスッキリとして好きでした。ノンデイトのモデルもあるのですが、その場合、ケースの材質がブロンズで文字盤が緑に限定されてしまいます。ステンレススティールの青文字盤が欲しかったので困りました。過去のモデルには通常でノンデイトの設定があり、中古市場を探せばあるのですが、状態のいい物は現行品の倍ほどの値札がついていたため、これも撤退を余儀なくされました。

ここまでノンデイトのモデルを重視して探していたのですが、そうも言っておられなくなり、デイト表示付きのものを検討することにしました。
そして候補に上がってきたのがオリスのアクイスです。ノンデイトではないものの、ダイバーズウォッチの王道を行きつつ、それでありながらサブマリーナーのデザインとは差別化されている点が素晴らしいと思いました。
オメガやタグホイヤーほど値段が高くないのも嬉しいポイントです。

現物を確認してみたくなり、地元の松坂屋にある正規店へ向かいました。初めて足を踏み入れるフロアに躊躇しつつも、何とかオリスのカウンターまで辿り着き、店の方に頼んで見せてもらいました。実際の目で見るアクイスは文字盤の深い青さ、艶やかなベゼル、ところどころ鏡面加工されたケースとブレスレットが宝石のように輝いて見えました。美しい…。
うっとりしていると、腕にはめてご覧になりますか?と、店員さんに言っていただきましたが、正規店で購入する決意はついていなかった私は、いえいえとんでもないですと恐縮し、滞在時間もそこそこに立ち去りました。じっくり見ることはできなかったのですが、このチキンな行動がのちに禍根を残すことになります。



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