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[Vol.1] シードVCの投資基準 ~創業期のスタートアップ・起業検討者がVCから資金調達をするには~

※この記事はSamurai Incubateが管理するMediumで配信したものをバックナンバーとして転載しております

【2020年3月5日 オンラインイベントレポート】
先日、創業前および創業初期のスタートアップ企業、これから起業・事業化を考えている個人の方々を対象としたオンラインイベントを実施しました。

アイデア段階の事業に投資をすることもある”シードVC(ベンチャーキャピタル)”が、「どのような視点で事業や起業家を見ているのか」「投資したい事業・起業家」など、ざっくばらんな話で盛り上がりました。

そのイベント内容を全3回にわたってお伝えしたいと思います!今回は、Vol.1として、前半でお話しした内容をまとめました。

自己紹介

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冨田 阿里(@anritomita):モデレーター
株式会社スマートラウンド 執行役員COO

冨田)スマートラウンドの冨田と申します。インテリジェンス、セールスフォースドットムでスタートアップの支援をして、去年からスマートラウンドというスタートアップの為のファイナンスマネージメントプラットフォームを提供する会社に転職しました。よろしくお願いいたします。スマートラウンドでは、資金調達の全体像を21ステップに分け、マニュアル化したものを無料公開しています。
資本政策をクラウドで管理できるのが特徴です。クラウドで株を管理することはアメリカでは当たり前になってきていますが、日本ではまだExcelなどローカルで管理しているケースが多いです。スマートラウンドではアクセス権限を付与することで、資本政策の内容を経営陣やSO(ストックオプション)を持っている従業員、株主に共有することができます。また、資本政策のシミュレーションもプラットフォーム上ででき、売却やIPOまでのイグジットストーリーを計算するのにオススメです。こちらも全て無料で利用できます。
既存株主への月次報告もクラウド上で可能です。freeeと連携しているので、現金残高を自動反映させることができ、こちらもアクセス権限の付与によって見せたい相手ごとに共有可能です。
また、毎月オンラインでエンジェル投資家と出会えるピッチや勉強会などのイベントを行なっており、資金調達について話しています。
起業家の知人や、各方面の専門家たちを巻き込んで、スタートアップの方々の役に立つようにとサービスを作っております。よろしくお願いいたします!

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白川 智樹(@shirakawa_t)
株式会社アプリコット・ベンチャーズ 代表取締役 / ジェネラル・パートナー

白川)2008年にサイバーエージェントに入社し、10年間勤めた後、2年前の4月に独立しファンドを作りました。サイバーの中では広告部門やゲームの子会社、投資部門にいました。前職を含めると設立間もないシード期の会社で33社ほどに投資をしています。創業期の方を応援するとだけ決めて、領域を問わず投資をさせていただいております。
今は投資先が15社ほどありますが、80人ほど入れるビル一棟を借りて、希望者に対して場所の提供もしています。ここには現在スタートアップ7社や、デザイナーやエンジニアなどプロフェッショナルな方数名に入居していただいて、投資先の方々と近しい距離感でご一緒させていただいております。コーヒー淹れるのが得意なデザイナーの方がいて、いつもみんなで美味しくいただいていますので是非遊びにきてください。
起業前の方が今日の来場者には多そうなので、投資をさせていただく手前の応援についてもご説明いたします。起業準備をしている方に、DeNAのデライトベンチャーズというCVCと一緒に、2ヶ月間起業準備の支援を致します。年末に募集して2.3月でプログラムをやっているのですが、150チーム弱くらい応募いただいています。彼らとは事業や会社設立準備の話をしています。DeNAの南場さんにも来ていただいたりして、起業前からコミュニティーに入っておいた方がいいよねって話をよくしています。
設立をしたばかりのタイミングの方は、自分の人件費やオフィス代がかかるのが大変だということで、年間24社を私らで選ばせていただいて、半年間無料で使える場所を提供しています。
起業すると気持ちが不安定になることも多々ありますが、この場所には起業したばかりの起業家が集まって来るので、同じような悩みを共有できたりして、一緒に乗り越えようという目論見があります。

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佐藤 直紀(@naokisato31)
Open Network Lab プログラムディレクター

佐藤:私もお二人(冨田、白川)と一緒でもともとは事業会社におりました。学生時代にシードアクセラレータに参加し起業したことをはじめ、グリーやFintechスタートアップにて一貫して新規事業の立ち上げや経営企画まわりをやってきました。
Open Network Labは、2010年に日本初のシードアクセラレーターとしてスタートしております。そしてこれまでに100社以上を支援して参りました。一例を挙げますと、昨年上場したgifteeさんや、大型調達で話題のSmartHRさんなどが過去の参加者にいます。
主な支援内容としては、創業間もないスタートアップの不足するリソースを補うようにしています。具体的には、メンタリングや起業家コミュニティを通じてノウハウを提供したり、オフィススペースやAWSなどを安く使える特典を準備しています。プログラム自体は夏と冬の年間2回やっています。各三ヶ月ちょっとずつです。次回は4月中旬から募集開始しますのでぜひご応募ください。締め切りは5月末です。よろしくお願いいたします。

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萩谷聡(@hagyalager)
株式会社KVP キャピタリスト

萩谷)KVPの萩谷と申します。KVPはシード、アーリーで投資をしているVCです。私自身は、KVPの親会社であるKLab株式会社というモバイルゲームの会社に新卒で入りまして、モバイルゲームアプリのディレクターをやっていました。KLabの100%子会社ではあるけども、外部からお金を集めてスタートアップに投資していくという独立系シードVCであるKVPに2015年に参画しております。個人的には28社ほど投資して、シードから支援してしっかりシリーズA,Bに繋げていくということをやっています。

KVPのミッションは、日本で最も数多くのシードフェーズのスタートアップを成長ステージに導くことです。基本的には各キャピタリストが責任をもって投資先の起業家やビジョンに寄り添って、次のステージへ連れていくことをミッションとしてやっています。20億弱の1号ファンドを4年前から初めて、48社に投資しており、今2号ファンドを立ち上げています。こちらでも既に20社ほど投資していて、合計約70社に投資しています。

IT領域であれば全般的に幅広くやっています。ステージはシード、アーリーと決めています。特徴として、1号ファンドではプロダクトがない状態から投資しているのが半分ほどあるので、プロダクトができる前からご一緒させていただき、プロダクトの開発過程にも関わらせていただく場合もあります。基本的には日本が中心ですが、2,3割は東南アジアやUSに紹介ベースで投資しています。ハンズオン支援でなんでもやるというスタンスなので、キーマンを紹介したり技術的支援などをできる限りする、といった感じでやらせていただいております。よろしくお願いいたします。

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坪田 拓也(@TakuyaTsubota)
株式会社サムライインキュベート Manager Investment Group

坪田)サムライインキュベートの坪田と申します。私は、オプトという会社で1年目はwebマーケティングをやっていましたが、その後グループ会社で新規事業の立ち上げ、さらにその後に社内や大企業の新規事業のインキュベーション業務をやらせていただきました。サムライインキュベートには2017年の10月に参画しました。最初は大企業の新規事業の開発支援をやっていましたが、今はInvestment Groupというサムライインキュベートの投資部門にいます。

サムライインキュベートの投資活動についてですが、現在は、34.5億円の6号ファンドから新規投資を行なっています。サムライインキュベートは2009年から投資活動を行なっているのですが、お会いする方には、よく「最初じゃないと投資しないイメージがある」と言われます。確かにシード中心ではありますが、今はシードに限らず、他のVCさんが入っていても出資検討します。また「数百万円のみの投資イメージがある」とも言われていますが、今は最大5000万円まで出資していますし、初回支援だけでなく、追加出資も積極的に行なっています。ハンズオン支援は引き続きやりながらも、ファンドには事業会社も多く入っていただいているため、そこ企業のアセットや知見も活用しながら協業支援もしています。ですので、LPさんの事業領域に基づき、物流、ヘルスケア、リテール、金融、建設、モビリティを中心に投資活動を行なっています。

通常のお問い合わせやご紹介からの投資以外にも、2つのプログラムをやっています。一つが「BootCamp」というもので、ファンドのLPさんや大手事業会社と共同開催しています。過去実績として、ダイキン工業さんとの「AirTech BootCamp」などがあります。事業や技術を持ったスタートアップや大学の研究者などにご参加いただき、協業を視野に入れたアイデア検討をして、その中から数千万円程の出資を検討するプログラムです。

もう一つが「The First Movers Hand’s “In” Batch Program」というもので、起業前や直後の方を対象にしたプログラムです。アイデアを出すところから仮説検証するところまで、サムライ独自のフレームワークがあるので知識面を含めてしっかり伴走します。アイデア出しの段階で出資させていただき、そのアイデアの検証をもとに追加で出資するという二段階に分かれているプログラムです。第三回を4月に実施するのですが、4月3日(金)まで募集しているのでお待ちしております。

事業、起業家をどんな観点で見ているか?

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(写真)オンライン参加者にはこんな風に見えていました!

白川)投資検討の際には、3つのことを見ています。「チーム」「マーケット」「戦略」です。
チームの皆さんがどんなマーケットでどうやっていきたいのかを30分~1時間かけて話します。どんな深いペインを持ったユーザーの方がいて、その人たちは本当に困っていて、解決したいものなのか。 そういうニーズみたいな話と、それが事業としては規模どれぐらいあるんだっけという市場規模の話。そういった話の裏側では、我々はベンチャーキャピタルなので、出資者の方にリターンをお返しするという側面もあるので、ファンドの投資としてリターンの計算を社内できっちり検討していますね。

佐藤)取り組む課題とチームを注視しています。 課題についてはそれを解決したときにどれくらいの事業の規模になるかという大きさの話と、なぜ今なのかという変化の話。 チームについては、その市場環境やユーザーに対するインサイトの深さであったり、取り組む課題にフィットしたチームだろうかといった点を見ています。

冨田)マーケットの規模はどうやって算出するんですか?

佐藤)トップダウンの計算方法もあるんですがおすすめしているのはボトムアップの方です。 どういう人が幾らぐらい払ってくれるのかっていう掛け算を繰り返していて、フェルミ推定的にはじき出されると説得力が増すかなと思います。

萩谷)経営者、経営チーム、マーケット とシンプルに見ています。 KVPの特徴というか、キャピタリストそれぞれの性格的にもあるんですけども。 やっぱりその業界で、何でその事業にチャレンジしているのか。 という人ベースで、なんであなたなんですか、なぜそこの領域で事業を進めるんですかっていうところを意識して見ています。

事業というのはやっぱり大変じゃないですか。 外部の株主が入るってことであったり、短い期間でイグジットしななければいけないっていうプレッシャーもある中で、どんどんどんどん組織を大きくしていくっていうのは大変だと思うので、そういうときに粘り強さっていうのが重要になってくるなと思っています。 そこで諦めないっていうのはすごく重要視しているので、そういった部分を見ています。プラスでいうと起業家の方がどれだけ大きな絵を描けているか。業界や人がどう変わるのかを語れる人が個人的には好きです。

坪田)人の話はみなさんがされたので、事業の観点から話します。事業でいうとアイデア段階のものが多く、コネクションや売上がないというところや、そもそもプロダクトがないところもあるので、事業を見るときには代替品と提供価値について考えるようにしています。代替品とは、解決したい課題を現状どうやって消費者たちは解決しているのか、ということです。

例えば、JALのわかりやすい競合はANAですが、代替品として新幹線やZoomもありえるかもしれません。人とコミュニケーションをとりたいというニーズを解決するためには様々な手段があります。「あなたの事業の代替品は何ですか?」と、起業家の方には聞いています。それに対して、より安く提供できるのか、より早く提供できるのか、より手軽に利用できるのか、より高い質を提供できるのか、種類を増やせるのかなど、どの軸でその事業に優位性を持たせるのかを気にしています。そこまで細かく考えると、必然的に初期ターゲットは絞り込まなければならないでしょう。かつ、スタートアップは限られた時間や資金の中で成果を出さなければなりません。いろんなターゲットに手を出すとリソースが分散されてしまい、全てが中途半端になってしまう危険性があるので、最初は小さくてもいいので初期ターゲットをしっかり整理することをお勧めしています。

皆様のバリュエーションロジックはどんな形で行なっているか?

冨田)スマートラウンドのコンテンツでも、VCがスタートアップをどう評価するのかという一般的なことは書いてあります。ですがこれはあくまで一般的なものであり、ビジネスモデルごと、創業者のバックグラウンドごとにプレミアがつく場合もあるかと思います。この機会にぜひ、皆様のお話をお聞かせください。

白川)未上場の場合はスタートアップとVC双方の言い値です。ですがその中でも、何となくエコシステム内での相場感はあります。その相場感を目安に、経営者のバックグラウンドやプロダクトの開発状況によってプレミアをつけたりディスカウントします。シードの段階では例えばDCF法を使って云々というほどあまり細かく見ることはないですね。

冨田)例えばプロダクトもなく、創業者も若く実績もない。そんな人が来たらいくらくらいにしますか?

萩谷)相場としては2億円以下でしょうね。

冨田)ミニマムはいくらでしょう?

萩谷)基本的には資本政策上、ラウンドを重ねて大きくなるので、上場を目指す際には持ち株が過度に希薄化していくとよくありません。本当に何もできていない状態で、バリュエーション5千万円で私らが500万円を出資するかというと、500万だとプロダクト開発やリクルーティングなど何もできないので、次の調達につなげられません。そこらへんを加味して、「この事業なら2千万あればプロダクトもできて人も採用できて、ある程度のKPIも作れるな」と判断できます。資本政策は事業によって結構違います。

冨田)すごい分かりやすいです。補足ある方はいますか?

白川)各ラウンドごとに、どれくらい希薄化を許せるのかというベースのラインがありますよね。目安として、各ラウンドごとに10~20%くらいまでの希薄化を目安に考えることが多いので、20%を越えると相当勝負どころだな、という感じで。事業の検証をするために必要な金額と、株式比率の兼ね合いでバランスを考えています。

冨田)だから資本政策は重要なんですよね。後戻りできないからこそ、ゴールをイメージすることが大切と。この辺はスマートラウンドを読んでください(笑)本当にいろんな起業家さんがスマートラウンドに来てくださるんですが、前提知識があると、web上には出せないような本質的なディスカッションが出来ます。資本政策の大枠は知った上で投資家と話した方がより実りある時間になると思います。

坪田)今、萩谷さんが2億円というお話をされたかと思いますが、ずっとそうなわけではないですよね。相場はあくまで相場なので、3年後には変わってることもあり得ます。

冨田)3年前はもっと低かったですもんね。
その相場感を知るためにも、皆さんが提供しているコミュニティーアクセラレータに入って横のつながりを作り、みんなでキャッチアップをしていくんだろうなと考えています。

一回の面談で判断できる?迷う時はどんなときか?

佐藤)Onlabでは、基本的に書類審査、一次面談、最終面談の3ステップで決定しています。一次面談は実際に伴走して行くことになる現場メンバーにお会いいただき、最終面談は協賛企業のデジタルガレージ 、カカクコムのCEOを含めお会いいただきます。

冨田)送られた書類はどんなところを見てるんですか?判断基準という意味で。

佐藤)基本的にはピッチ形式の資料を送っていただいて、誰のどんな課題を解決するのか、どんなソリューションなのか、マーケットは?といったことを見ています。中でも1つ目の質問でもあった、取り組む課題とチームは重視しています。

冨田)ありがとうございます。そもそも一回の面談じゃないってことなんですね。三回もすると迷うことはあんまりないんですね。

佐藤)たまに追加で面談をするところがありますが、それは、ブロックチェーン等の専門領域に技術を武器に取り組むスタートアップのケースで、その場合はグループ会社にAIやAR、ブロックチェーンなどを研究しているチームがあるので1.5次面談という形でやることはあります。

冨田)迷うというよりも、適切な人に適切なプロセスを踏んでもらう感じなんですね。坪田さんはどうですか?迷うことはありますか?

坪田)専門的な技術が使われていて、その技術が実現できるかどうかが事業の肝になっている場合は調査をします。他にも一回目の面談で持って来ていただいたアイデアが荒削りなもので、もっとブラッシュアップできる場合は、検証すべき項目などを話し合ったのちに一度お持ち帰りいただき、再度来てもらうことがあります。実際にあった例として、1回目の面談から一ヶ月後くらいにアポを入れていただいて、その期間に30人に検証してきてより具体化ができていたので、その成長曲線の高さを見て出資させていただいたケースがあります。

冨田)ありがとうございます。どなたか追加でありますか?

白川)私は事業について疑問が残った場合、その場で解決できないものは「確認させてください」とお願いすることがあります。そのサービスの利用者の手触り感も大切にしているので、そういうのを感じられない時は、想定ターゲットやヒアリング項目の提案もさせていただいています。他にも、信頼している方からのご紹介だとすぐに投資を決めたりします。しかし、経営者の人柄がわからない時もあるのでそういう時は、時間をかけてコミュニケーションをとり、慎重に判断しています。

冨田)確かに「誰かから紹介されるのがいい」という言説が起業家たちの間で囁かれているせいで、自分からVCにアプローチをかけずに、「紹介してください」といったお話をいただくことが増えています。そういったケースにはどう対応していますか?

坪田)私はツイッターのDMに来た人に出資したことがあります。

冨田)そういった場合はリファレンスとか取るんですか?

坪田)基本的にはその人を信用しています。ですがtwitterの場合、アイコンが本人じゃない場合もあるので、そういった人と会う時は緊張しますね(笑)

冨田)そうですね。とはいえ、twitterやFBで検索するとその人柄がなんとなくわかりますよね。それによって会う会わないを決めてる投資家の方もいるみたいですね。

白川)私は共通の知り合いとかは結構見てます。

バリュエーションと株式市況との関連性をどう考えているか?

萩谷)シードの段階だとあまり影響を受けないと思います。VCはイグジット時のキャピタルゲインを求めているので、上場時の時価総額はすごく意識します。シリーズAくらいになると、強く意識するかなという感じです。その中で大きなイグジットを狙えるところには投資が集まっているように感じます。

冨田)そうですよね、シードだとそこまで関連はなさそうですよね。

初期投資後のマイルストーンはどうやって決めているか?

白川)投資させていただく時、私らの場合は意思決定に事業計画書は必要ありません。ただ、次のラウンドを見据えて荒くマイルストーンを作ってみるのもいいのではないかというお話はします。だいたい1年~1年半で次の資金調達をするケースが多いので、それに向けて作ってみて、「こうなっていたら次の資金調達ができそう」というベンチマークを作ります。ですので、会社ごとに指標を設定するようにしています。

冨田)では共通の指標をあてがうことはあまりないんですね?

白川)そうですね。目標を各社で決めたら定期的にお会いして、その時に進捗や打開策を議論しています。

冨田)定期的とはどのくらいの頻度なんですか?

白川)投資先の方によって違います。基本的にはお邪魔になるようなことはしたくないので、月一回がいい方や、半月に一回、週一回など投資先の方によって異なります。例えば、開発に注力している時に毎週お会いしても意味がないので、そんなときは月一回などケースバイケースにしています。

佐藤)我々は創業前後でプロトタイプからβ版くらいの段階のチームが多いので、次のラウンドに向けた目標設定としては、定性的にはサービスがちゃんと顧客の課題を解決できているか、定量的には想定通り利用されているかといった指標を設定し、逆算してマイルストーン設定をしています。

冨田)初期投資後の場合どのくらいの期間で設定しているんですか?

佐藤)次回調達の時期としては、初期投資から半年〜1年くらいが多いですね。

冨田)質問者さんは、皆様から投資を受けた時にどのくらいの頻度で何を求められるのかが気になっているのかなと思いますが、如何でしょう?

萩谷)モニタリングに関しては先方によって違いますが、私の場合はメンタルケアの意味も含めて隔週で面談を設定していることが多いです。指標についてはビジネスモデルによって違うと思います。ただシードはPMFを達成できるかどうかが鍵だと思うので、プロダクトは最低限どのお客さんにどんなソリューションを提示すればコンバージョンするのかといった点の検証がマイルストーンの設計上一番大事になると思います。

坪田)プロダクトが出た瞬間からどのKPIを追うのかというのは、ある程度共通認識が社内にあります。例えば、初期のターゲットが不鮮明な場合や、プロダクトが未熟な場合、顧客を新規獲得してもすぐに離脱してしまうことがあります。事業の進捗に応じて追うべきKPIは違うので、そこを臨機応変に測っています。
事業計画書も大事だと思っています。実態として、最初に作った事業計画は実際だいぶずれることがあります。その時に事業計画書を作っておくと、どの点がずれているのかを可視化でき、調整が容易になります。野球の素振りと同じで、試合当日にどんな球がくるかわからなくても、コースを意識した素振りが無駄になることはありませんよね。事業計画書もそういったものです。実際どうなるか分からなくても、分からないなりに仮説を立てて想定しておくことが大事だと思うので、そこもご一緒させていただいています。

冨田)とてもありがたいですね。壁打ちしてくれる投資家って本当にありがたいですよね。

本記事Vol.2はこちら

第4回The First Movers

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