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赤いクリーチャーでしっかり勝てるのはもうパイオニアぐらいなもんなのに除去コンにぼろ雑巾にされているのを見るのは結構悲しかった話。


4月16日
晴れる屋TC東京で行われたパイオニア挑戦者決定戦に参加した。

結果は7-0-1からの1没。充分出来過ぎなのでそれは良い。コンパニオンアプリ、重かったね。

帰り道、メタゲームブレークダウンを見ていると気になることがあった。

使用率1位が赤単だったのだ。

参加者206人中、25人が赤単で使用率1位にもかかわらずTOP16までに一人しかいない。

赤単のデッキパワーは普通だがチャレンジャーデッキ発売の影響から使用者も非常に多く、その上で意識されているので、同日人気だったナヤウィノータ、パルヘリオン、サクリファイスにもいいようにされた人も多かったのだろう。

赤単はコンボ要素のあるデッキに介入することは得意ではないが、赤黒ミッドレンジ戦は普通のMTGで発生するやりとりしかない。有利ではないが、嘆くほどでもない相手だ。

赤単vs赤黒ミッドレンジの卓も多く観戦したが、無駄なカードをそのままにして偏ったドローで負けるのを非常に沢山みた。

・手札で重なる溶岩コイル。でてこない的と、落とせないクリーチャー化土地。

・相手の残ライフ1で祈るようにプレイした舞台照らしからめくれる損魂魔道士(ビタ止まりでチャンプブロックしかできず)

など、悲惨なものだった。

赤単はこちらが除去を連打するだけの側だったり、相手が攻めてこず、ひたすら守りに入るコントロールであればプレイは簡単だ。

しかし、一方通行でないマッチになると途端に難しくなるし、赤の苦手な部類でもある。

僕は好きで赤単を使っているから、同じように赤単を好きで使っている人が赤黒ミッドレンジからぼろ雑巾にされることが気の毒で、ちょっとでも助けになればと思い赤黒戦に限った話になるけど久しぶりに書いてみた。

順番にわけてこうやって検討したらいいよ。という話をするだけなので、スマホで殴り書きだけど許してね。

順番にわけて考える

赤黒ミッドレンジは赤単より1回り大きいサイズのクリーチャーや、赤アグロへの要となる砕骨の巨人を擁しており、優良な除去カードも豊富で、赤単側はクリーチャーによって毎ターン確実に攻撃を通しつづけるのは難しい。

カードアドバンテージの獲得では、メインからプレインズウォーカーと舞台照らしがあり悪くないようにみえるが、除去として期待できない2点火力が多く、こちらの砕骨の巨人は得する使い方が限られている。

また、1枚あたりのカード品質は赤単が劣る。

そしてゲームレンジが長くなればなるほど、赤黒側の諸問題は解消され、赤単側は自身の弱いカードと小さいクリーチャーサイズに困ることとなる。

デッキ全体を見渡せばマナコストの低さは赤単が優れており、色事故率の低さ、土地タップインとなる確率の低さなど、総じてスピードとライフの面では赤単に分があるといえる。
ライフは回復される可能性もあるが仕方ない。

カードアドバンテージ:ちょい不利
クリーチャーサイズ:不利
ゲームの長期化:不利
スピード:有利
ライフ:有利

この有利を活かすにはクリーチャーの攻撃を通しつづけることが必須であるにもかかわらず、それが難しいことは冒頭で述べた通り。

なぜ攻撃し続けられないのか。

低マナクリーチャーが砕骨の巨人で除去され、4/3のサイズが出てきてしまい、1対2交換が必要となりリソースが削られライフをゼロにできず負け

墓地の侵入者を対処しようにも、護法により1対2交換を要求されリソースが削られライフをゼロにできず負け

つまり低マナクリーチャーが価値をもたらす前に除去されてしまうか、ターンを追う毎に価値が低下し、「火力兼クリーチャー除去でクリーチャーの攻撃をバックアップする」という、望む戦略が取れないからだ。

こうなると選択肢はいくつかある

1.相手の脅威(壁役)をサイドボードに積んだ除去で片っ端から対処して道をあける。←実現可能ならこれが簡単

2.止められる前提で、時には損をし、傷だらけになりながらも直接火力や能力付きの土地でライフを先に削りきる

3.空を飛ぶ

まず1を検討してみよう。

対処するということは、原則として対処札と被対処札の1対1交換になるわけで、その分クリーチャーの攻撃が続かないと相手のライフは減らない。 

そして対処札を大量にサイドインするということは、メインボードのクリーチャー、火力、プレインズウォーカーのいずれかが減り、ライフを攻めるカードを削って除去コントロールデッキ相手にもクリーチャー除去しかできないカードを入れることとなる。

たしかに相手のクリーチャーは処理できるかもしれないが、ゲームが長引いているだけで解決になっていない。むしろ状況は悪化するだろう。

このプランは相手が除去の少ないクリーチャーデッキであれば効果的に機能するが赤黒ミッドレンジはそうではない。

よって1は選べない。

次に2だ。

ここでいう、「損をしてでも」というのは複数展開したクリーチャーで相手の大きな1体へ向かってサイズ負けする戦闘を行い無理やりダメージを通すことや、複数回の果敢誘発攻撃を通すため、よほど余裕がない限りは無視するはずの墓地の侵入者へ例外的に火力を使って処理するという意味である。

展開としてはブン回りに近いが、無理攻めとなりがちでカードカウントとしては損となるため心理的に抵抗感が大きいかもしれない。

このプランのいいところは、デッキに含まれるカードの見ている役割がライフを削るために一貫していること、墓地の侵入者が壁役として棒立ちしやすいため、結果としてドレインされないことにある。

墓地の侵入者がプレインズゥォーカーへ向かってくることは壁役がタップされることになるので落とされないのであれば無視して構わないし、乱動する渦をプレイすれば相手は勝手にレースを挑んでくるため、やはりタップされるので、除去せずとも攻撃する道は開ける。

悪いところはそもそも比較的良い初手が必要になることと、火力とサイドインした大量の除去で実施する1のプランと違い毎回のように狙ってできることではないというところだ。

最後に3だ

アグロデッキ側が対処しづらい壁役は回避するか無視するというのがスラーグ牙の頃から伝統で、回避能力持ちクリーチャーを使うことが多い。

チャンドラのフェニックス、栄光をもたらすものなどの飛行・速攻クリーチャーが好ましいが、サイドボードとしての用途が狭いこと、そもそもプレイに土地が多く必要になり軽いアグロデッキの戦力と矛盾している。ミッドレンジデッキの戦略としてはアリだろう。

よって3も選べない

大会中は2を選び、棘平原の危険、乱撃斬、損魂魔道士をサイドアウトして乱動する渦、暴れ回るフェロキドン、反逆の先導者、チャンドラと入れ替えて戦った。

サイドから重いカードを追加して土地カウントが可能な棘平原の危険を抜くことはおかしいように思える。

しかしこのマッチアップでは無駄なカードを引く余裕は一切無く棘平原の危険をドローしたくないから仕方がない。

損魂魔道士は貴重な1ターン目のアクションではあるのだが、こちらとしては熊野と渇苛斬の対峙から大歓楽の幻霊が最高のスタートであり、僧院の速槍と違って奇襲性の無い損魂魔道士は無駄になると判断した。

結局、赤黒ミッドレンジと対戦したすべてのゲームで最終的にこちらのリソースはほとんど尽きたが、バグベアの居住地、ラムナプの遺跡で削りきって勝利した。

良い初手か良いドローは最低でも必要となるけれど、そういう幸運が来た時に勝ちきれるプランにはなってると思うので、赤黒ミッドレンジから毎回のようにボコボコにされているならためしてみてほしい。

少なくとも墓地の侵入者を無視するだけでも結構かわるはず。

ほな、終わります。

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