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思い・考えは生モノ@世界のキャリアに出会う旅

人間はすぐに忘れる生き物

「人間は一度覚えたことも20分後には42%を忘れ、1日後には約70%を忘れる」
これはエビングハウスの忘却曲線※1とよばれ、復習の重要性を理解する際に良く用いられる研究結果である。私も中学時代、数学の時間に先生がエビングハウスの忘却曲線を持ち出し、宿題の重要性を理解した覚えがある。(理解したつもり?)

これは、「こんなことをやってみたい!」「このアイディアは傑作だ!」と思っても、メモを取らなければ忘れてしまう現象にも当てはまる気がする。皆さんも「これをやってみたら面白そう!」と思っても、場所を変えたり少し移動しただけですっかり忘れてしまった経験は無いだろうか?

ひらめいては消え、虚無となる

この世界一周はまさに未知との遭遇。

毎日新しい景色に出会い、自分の知らなかった世界が目の前に広がる。最近の出来事としては、「ケニアのナイロビは案外発展しているな」や「道沿いでハンドメイドの家具や陶器がものすごい数売られている」と気づくことがある。

アップタウンは政治拠点で富裕層
ダウンタウンは貧困層が集まる
貧富の差が激しく政治に不満を持つ人が多い


こういった毎日見ることができる視覚情報であれば、頻繁に目にするため覚えておくことができる。エビングハウスの忘却曲線で言うと、「24時間以内の復習すれば、10分の復習で100%の記憶に戻る。」自ら意図的に復習しているつもりでなくても、毎日目にしていれば自然と覚えている。

「俺は大卒。ダウンタウンのストリートが大学みたいなもんだ。生きるか死ぬかをこの街で学んだ。」
ナイロビのダウンタウンは死と隣り合わせ

しかし、初めて見た時に自分が思ったことや、新たに浮かんだ考えは、何もしなければ一瞬にして消え去り、跡形もなくなる。旅の序盤で訪れた東南アジアの記憶も曖昧になり、当時の想いや日本と比較して浮かんできたアイディアは全く思い出せない。1日1日が新たな発見であると同時に、脳の記憶メモリが追い付いていない。新しいものをインプットすればするほど、過去の情報が1つ1つ失っていく。儚い旅だ。

世界一周2カ国目で訪れたベトナム
当時のことを日に日に忘れていくことに気づく

今!なんだ。実現のために行動するのは今!なんだ。

2023年も残りわずか。みなさんは年始に「今年はこれをやってみよう!」という思いつきを行動に移せただろうか?もっと期間を長くすると、学校を卒業した時、新しい会社に入社した時、人生におけるビッグイベントが起きた時に思いついたことを行動に移せただろうか?想いや考えの領域で止まり、行動できなかったことはないだろうか?

ニュアンスは違うが絵を描く(かく)ことでヨーロッパ当時の様子を残してきた

物事を忘れないために「書く」という動作があり、頭で生み出された想いや考えを実行できる手足がある。まずは、忘れないようにするために「書き出す」という行動。そして、頭を使って、手足を動かす行動する。「思い立った日が吉日」とも言われる通り、思い立ったことがあるなら「書き出す」だけでもいいから行動する。小さいことかもしれないけど、これが大きな一歩。

「東南アジアの記憶」というパズルのピースを毎日1つ1つ失っている中で感じたこと。旅を志す旅人へ1番はじめにアドバイスすることは「毎日日記を書いて書き留める」だろう。

ベトナム・ホーチミンの様子
私もベトナムから日記を書き始めた

※1:エビングハウスの忘却曲線
エビングハウスの忘却曲線とは、ドイツの心理学者であるヘルマン・エビングハウスが、人間の長期記憶について研究した結果、提唱された考え方です。この研究では意味のないアルファベットを記憶させた後、どれだけ記憶を保持できているかを実験したもので、20分後には42%を忘れている(58%を記憶している)という結果が出ています。この実験では、人は学んだことを案外忘れやすいため、再び思い出すなど振り返ることの大切さがわかりました。
https://smbiz.asahi.com/article/14828411

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