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順列組合・漫才【わざマシン41ver.2024】

しあ「率子さん排卵日いつ?」

率子「どうも順列組合です。冒頭からセクハラのフルスイングやめて。よろしくお願いします」

しあ「私は今日だった」

率子「訊いてない。そーゆーのは隠しておくべきことだって君は知っておいた方がイイ」

しあ「で、今日の排卵なんだケドさぁ」

率子「ウソでしょ? コレ今回の本題にする気なの?」

しあ「こんなん出てきちゃったんだよね(卵を懐からスッ)」

率子「………………は?」

しあ「朝起きたらパンツの中にあった」

率子「いやいやいやいやいやいや?」

しあ「産んだっぽい」

率子「待って待って待って待って待って待って?」

しあ「断る。しゃべる」

率子「畜生。半分マジの意味で畜生め」

しあ「そんなわけで本日をもって寿退職します。……ごめんね?」

率子「こんなクレイジーな解散が受理できるか」

しあ「なんで?」

率子「その卵に1ミリも寿を感じないからだよ。
   それどう見ても鶏卵じゃん。今日ここ来る前に寄ったスーパー売ってるの見たわ買ったわ」

しあ「尊き生命の神秘になんてことを言うの」

率子「神秘すぎて信用できる要素が一切無いんだよ。
   アンタ絶対それ産んでないよ。多分トリッキー自慰行為の最中に寝落ちしたかなんかだよ」

しあ「えっ……、何想像してんの…………」

率子「アンタだけは引く権利無いわ。さっき私に生理周期訊いてきたでしょうが」

しあ「まぁとにかく子供が出来たの。めでたいの」

率子「産み方がカモノハシなんだケドそれはいいの?」

しあ「ちゃんと名前とかももう考えてるんだから。
   男の子でも女の子でも『光』って名付けるの」

率子「そんなモン片手に語られたらそれはもうヨード卵なんだわ」

しあ「心を込めてあっためてあげるんだ」

率子「やめろ腐る。冷蔵庫に入れろ生鮮食品」

しあ「腐らないしそんなコトしたら死んじゃうよ」

率子「腐るしそもそも生きてないわ。
   百歩譲ってそれがお前が産んだ卵だとしても、無精卵でしょ。
   あっためたってコレ以上変化しない最終形態だよこの時点で。強いて言うなら賞味期限が早まるだけだよ」

しあ「こーゆー特殊な出生は処女受胎って相場が決まってるでしょ」

率子「神秘を過信するにも程がある。
   あとさらっと自分の処女性まで公開するなよ。観客席の引き潮っぷりはもう有明海を越えたと思うよ」

しあ「あっ、今この子ちょっと卵の内側から蹴ったよ♪ かわいー♪」

率子「ホントに腹を蹴り飛ばしてやりたいくらいの勘違いぶりのひどさ。
   …………よし。この卵、割ろう。現実を見せつけよう(卵を奪い取る)」

しあ「えっ、ちょっ、待」

率子「私は今からお前のコロンブスになってやろう! 一緒に大炎上だ!(卵を持った手を振りかぶる)」

しあ「やめてっ! コロンブスは奴隷商だからむしろ無闇に殺さないんだよぉ! …………ん? あ、ちょっと待って今また想定外のコトが……(うずくまる)」

率子「…………? 何を……?(振りかぶった手を一時停止しつつ)」

しあ「あの今、もういっこ産まれた(服の中ゴソゴソして2つ目の卵を取り出す)」

率子「…………えー……。……………………うぇええー…………??」

しあ「ほらほらまだあったかいよ持ってみなよ♪(手渡す)」

率子「うわぁ嫌な温かさだぁ……。
   あとコイツ股間から出したものそのまま渡してきやがった手ぇ洗いたい……」

しあ「愛おしいでしょー♪(返してもらいつつ、さりげなくもういっこも合わせて取り戻す)」

率子「っていうか何さらっと第2子産んでんだよ……。
   あーゆーのって、やるにしてももっと踏ん張ってやるもんだろ。
   あっさりしすぎて手品疑惑でるわ」

しあ「まぁアレはちょっと驚いた拍子に出ちゃったっていうか」

率子「おもらし感覚で卵産むなよ」

しあ「あ、あとそーいえばこの子、第2子じゃないよ。今朝から今までの間ににまだ他にもいくつか産んだもん」

率子「1日にそんなポンポン産卵してたのかよ。どんどん哺乳類ではあり得ないハズの生態が明らかになっていくなお前」

しあ「流石に楽屋のトイレで用を足してる時に出てきたのは流しそうになって慌てたね」

率子「アンタよくこんな超常現象を日常のワンシーンに落とし込んで話せるな」

しあ「あと地味にナチュラル無痛分娩な件も自慢したい」

率子「それはちょっとガチでうらやまポイント」

しあ「そんな生まれた時から親の身体を気遣ってくれるとても良い子なので大切にしてあげたい。
   卵から出てきたら、その殻を使って何かアクセサリーを作っておいて、20歳になったときにプレゼントしてあげるとかしたい」

率子「代々この形で生まれてきた一族の発想じゃん。お前も自分の親にやってもらったからやる系の記念作りでしょ、それはもう」

しあ「いや、いざ目の前にしてみると子供を大事にしてあげるためのアイディアって0からいくつも浮かんでくるもんよ」

率子「この不可解な出産を前にしても、ちゃんと親をやる心構えがしっかり出来上がってるのは評価めっちゃ高いんだよなぁ」

しあ「そんな大したもんじゃないよ。マイリトルエンジェル降臨に浮足立ってるだけだよぉ」

率子「期待してるのとは違う翼を携えて生まれてきそうだけどね」

しあ「でもそんなに浮足立っても居られないよね。たくさんの子供たちを自分一人で育てていかなきゃいけないんだもん」

率子「シングルマザーやる覚悟が完全に決まってるのだけは本当に敬意大爆発」

しあ「ってなわけで、今回の舞台出演料はこの子達も含めて割って4分の一ずつねっ」

率子「…………この流れで完全に拒めない交渉が来ちゃった。ドしくじり」

しあ「よろしゃーす♪」

率子「流石にもうちょいちゃんと楽屋で話し合わさせてもらえないかなぁ……、一旦ココはいい加減にさせてもらうとして」


しあ&率子「「どうも、ありがとうございました」


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