大人になってからピンクを好きになった
子供の頃、ピンクや紫が好きだと言えなかった。親が女の子らしいものに否定的だったため、親が望む子供を演じた結果、かわいい洋服を着たり髪を伸ばすことができなかった。
親の目を気にしない生活がしたくて県外の大学に進学し一人暮らしを始めた。そのままさらに地元から離れた場所に就職し、一人暮らしを謳歌して自分らしく生きている。
そんな私がピンクが好きだと言えるようになった話。
当然のように創作が絡んでくる。
大学6年生のときのことだ。国家試験の勉強や卒論の息抜きに、とある映像作品の夢小説を書いていた。その夢主のイメージカラーがピンクだった。
原作はセンシティブなジャンルのため明言しないが、宇宙を舞台に戦う反乱軍のお話。夢主は乙女座系の出身という設定だった。作中に出てくる乙女座関連のアイテムがピンクだったため、そのまま夢主のイメージカラーにした。
初めは夢主のキャラデザを考える際に瞳の色として採用していた。
のちに、具体的には社会人になってからハマったアイドル育成ゲームのアバターで夢主を再現する際に、ピンク担当のアイドルという設定でプレイしていたことでイメージカラーが固まった。
彼女への愛着がそのままピンクへの愛着となった。
当時私は26歳くらいで、遅すぎるピンクデビューだったが、とても視野が広がったことを覚えている。物心がついた頃からピンクを愛でられた人はもっと豊かな人生を送ることができたのだろうと羨ましく思ったものだ。好きな色が増えることで選択肢が増えた。自分もピンクを身につけていいと自分を許すことができた。自己肯定感に繋がった。
私はただキャラクターを作って愛でていただけなのに自分を変えることができた。幼少期から自分を縛っていた見えない鎖から解放された。こういうきっかけがあるから創作はやめられない。
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