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2023年2月の記事一覧
RIVER【最終編】
青柳は、なんとか山本の個展を開きたいという思いで、編集長に何度も掛け合った。青柳自身も会場となる百貨店や美術館、骨董屋に至るまで、足を棒にして探し回った。疲れていても毎日が生き生きしている。
湧き立つ感情が青柳の足を前へ前へ進める。
一方で山本は、不法投棄されていたゴミを電動ノコギリで小さく解体していった。自転車の車輪、ハンガーラックのパイプ…これらの廃材をどう組み立てようか山本の頭の中は、無限
RIVER 【中編】
ひと月くらいたった頃、また青柳が訪ねてきた。突然来た青柳を見て、山本はオロオロしている。
「こんにちは! 山本さん。今日はお話があって参りました。
私、◯◯新聞の記者をしております。
先日、山本さんに助けられて病院の関係者や救急隊の方達に、山本さんのお話を伺って大変興味を持ちました。
上司に企画を提案したらOKが出たので来たのですが、取材をさせていただけませんでしょうか?」
「新聞の記者さんだった
RIVER 【前編】
このゆったりと流れる川が好きだ。
川を見ていると心が安らいで、ひとりでいても寂しくなく、心を許せる誰かと一緒にいる心地よさと似ている。
山本は、慈善事業で川のレスキューの仕事をしている。
川で子供が遊んだり、大人が酔っ払って飛び込んだり、危ない時は救助に向かうのだ。
時々、川に金属を不法投棄するものがいる。
川に落ちた時に身を傷つけないよう、それらを拾って清掃もしている。
その拾ってきた金属を加