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とことこショート

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2023年2月の記事一覧

RIVER【最終編】

RIVER【最終編】

青柳は、なんとか山本の個展を開きたいという思いで、編集長に何度も掛け合った。青柳自身も会場となる百貨店や美術館、骨董屋に至るまで、足を棒にして探し回った。疲れていても毎日が生き生きしている。
湧き立つ感情が青柳の足を前へ前へ進める。

一方で山本は、不法投棄されていたゴミを電動ノコギリで小さく解体していった。自転車の車輪、ハンガーラックのパイプ…これらの廃材をどう組み立てようか山本の頭の中は、無限

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RIVER【後編】

RIVER【後編】

二人の間に静寂が重くのしかかる。

青柳は言葉を失い、自分が有頂天になっていることを恥じた。この事実を山本一人で抱え込んでいる。
どんな言葉をかけたら良いのか…でも、山本のやっていることは賞賛に値するのではないか。
「山本さん、ごめんなさい。私は…私は…」
青柳は慰めの言葉を言おうとしたが山本の辛い気持ちを肌で感じ、感情が先に出て涙ぐんでしまった。
「あぁぁ青柳さん、ごめん。そんなつもりで言ったん

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RIVER 【中編】

RIVER 【中編】

ひと月くらいたった頃、また青柳が訪ねてきた。突然来た青柳を見て、山本はオロオロしている。
「こんにちは! 山本さん。今日はお話があって参りました。
私、◯◯新聞の記者をしております。
先日、山本さんに助けられて病院の関係者や救急隊の方達に、山本さんのお話を伺って大変興味を持ちました。
上司に企画を提案したらOKが出たので来たのですが、取材をさせていただけませんでしょうか?」
「新聞の記者さんだった

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RIVER 【前編】

RIVER 【前編】

このゆったりと流れる川が好きだ。
川を見ていると心が安らいで、ひとりでいても寂しくなく、心を許せる誰かと一緒にいる心地よさと似ている。

山本は、慈善事業で川のレスキューの仕事をしている。
川で子供が遊んだり、大人が酔っ払って飛び込んだり、危ない時は救助に向かうのだ。
時々、川に金属を不法投棄するものがいる。
川に落ちた時に身を傷つけないよう、それらを拾って清掃もしている。
その拾ってきた金属を加

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