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ドライブのお誘い

ドライブにいこうよって言ってくれた人がいた。まあ私には門限があるので、あいにくいけなかったんだけど。

でもわたしはドライブが好きだ。

車のスピードに任せて、すべてを置き去りにしていける感覚がある。
だからなにかをしょいこみすぎているときにはドライブは最良の薬だ。
誘いにのって今ごろ首都高を飛ばしてもらえてればよかった。

それに、走る車の中から都市を感じることで、自分の小ささを思い知る。

夜走るほうが好きだけど、それは通り過ぎる街並みのビルに灯りがついているからだと思う。
単純にそれが綺麗だからってわけじゃなく、窓の一つ一つに灯っていたほうがなんだか、その中にいる人間を感じやすい気がするからだ。

見知らぬはずのひとりひとりの人生みたいなものを想像させられて、自分が極限まで相対化される。
自分はなんてちっぽけなんだろうと思う。

私はいつも世界の中心に自分を置いて悲観的になる嫌いがあるから、メタメタするその感覚がたまには必要だし、癒しになる。 

それを求めて、降りる駅もなく何周も山手線に乗り続けたりすることがあるくらいだ。
一駅一駅、数多の人が乗り降りをして、それぞれの目的にいそいでいる。
ああ、生きているのは自分だけじゃないんだな、とおもう。
みんなが各々の物語を必死に生きているのを感じると、どうしようもなく愛おしい。
でも電車の中だとその愛おしさや涙を隠すのが大変だから、その心配のない車の中はわたしにとってはありがたいのだ。

何が言いたいか明確にあったわけじゃないけど、まあそんな理由でとにかくわたしはドライブが好きだ。


はやく免許とらなきゃ。




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