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ずっと真夜中でいいのに。 は「沈香学」を超えることができるのか


ずっと真夜中でいいのに。(以下ずとまよ)が活動開始5周年の節目である昨年にリリースしたアルバム「沈香学」はとんでもない名盤だった。ずとまよが「ロックバンド」としてリリースしたアルバムであるというのを強く感じた。過去2作のアルバムには必ず収録されていたバラードナンバーがないという強気な選曲もそうだし、ラストの「上辺の私自身なんだよ」に関してはかなりFishmansだ。「あいつら全員同窓会」というヒット曲すらも霞んでしまうような作品だと思う。
当時このアルバムを聴いて、かなり大きな衝撃を受けたと同時に、これは「ずとまよの完成」を意味したアルバムではないかと感じたのもまた事実である。実際、このアルバムは素晴らしすぎる。5年間の活動の集大成といってもいい。それ故に、ゆらゆら帝国を筆頭とした「完成してしまったバンド」が脳裏に浮かんでしまい、少々不安になってしまった。やはりというかなんというか、その後ずとまよは今年の5月まで新曲のリリースがなかった。
そんなずとまよが、今年の10月にミニアルバム「虚仮の一念海馬に託す」(こけのいちねんかいばにたくす)をリリースする。バンドとして完成された前作から1年4ヶ月、このミニアルバムがどんな作品になるのかはまだ分からないが、1ファンとしてやはり楽しみだ。そしてトレーラー映像に出てきた「孤独じゃなきゃ眠れない」というフレーズに、一時期は「これ以上のものを出せるか?」と疑った俺も度肝を抜かれた。「沈香学」を超えようとも超えなくとも、ずとまよは衝撃と孤独の美学を感じさせてくれる。こんな素晴らしいバンドに、まだまだ目が離せない。


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