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【F1 2020新車発表】ハースF1(Haas F1)新型マシン VF-20

2月6日(木)他チームに先だってハースF1が、2020年シーズンのF1に参戦するマシン「VF-20」のレンダリング画像を発表しましたね。備忘録をかねて思ったことを記録しておきます。

■チームデータ運営企業 :HAAS FORMULA LLC
チーム名 :ハースF1チーム(HAAS F1 TEAM)
シャシー :ハース
エンジン :フェラーリ

■背景 2018年シーズン「昨年のフェラーリマシン」と言われるほどエンジンサプライヤーのフェラーリとの連携が強化されたハース。93ポイントを獲得しランキング5位に。
 2019年、中団チームのTOPを目指すべくキープコンセプトのままマシンを進化させたが、技術ディレクターの小松さんが「空力開発の段階で失敗していた」という通り、タイヤに厳しいマシンで、本戦では精彩を欠いた。
 2020年仕様のマシン。19シーズ中も常に様々なパーツをテストしていたので基本的にはキープコンセプトなはず。

さてさてどんなマシンなのか。

■新車 VF-20

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■ファーストインプレッション 19シーズンはメインスポンサーの「リッチエナジー」カラー黒×金をメインカラーにしたハース。まず目につくのは、18シーズンカラーの白×赤×黒。

VF-19とVF-20 の比較

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1、ノーズの形状をアップデート
 基本的には昨年を踏襲したサムノーズ形状。ノーズ下の整流フィンも昨年の最終形とほぼ同じなので、昨年終盤は今年に向けての開発に切り替えてテストをしていたことがわかる。
 変わった部分と言えば、フェラーリが昨年アップデートで持ち込んだノーズ横にある、横方向のフィンの追加。フロントを安定させる狙い。

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2、フロントウィングはトレンドを踏襲
 昨年とは大きく変更されていて、レッドブルやメルセデスのようにトレンドのを採用し、気流を外側に送り出すような形に変更。

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3、フロンサスペンションは空力的な微修正
 サス形状は大きく変わっていないので基本的には昨年を踏襲。昨年はストレートだったその形を空力を意識した形へ変更。

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4、バージボード
 ここは昨年からかなりダイナミックに変わってる部分。裏側の複雑なスリットと表側の構造で空気をスムーズに流そうとしている。
更に、空力的な処理を施したサスペンションから連続した考え方で空気を効率よくサイドに導こうとしている。

図2

5、取り入れた空気をいきなり下側に引き込むサイドポッド
 サイドポットの形状変更は今年のマシンで最も強い意志を感じる。フェラーリエンジンへのアジャストでサイドポンツーンから取り入れた空気を急激に下に流そうとしているのか上面をつぶしたような形状に変更。
上面の気流とはあまり考えにくいので、やはりカウル内の空気の取り回しの
思想変更か。赤矢印部分が昨年よりもつぶれているのがわかる。 

図3

6、小さく、形の変わったインダクションポッド(煙突)
 煙突の形状が昨年の楕円形から三角形に変更。形の変更以上に気になるのは、その大きさ。
 昨年の楕円形のポッドの中にはエンジンに空気を送るセンターエリアと、ラジエターに空気を送る左右にエリアが分割されていたけど、今年は昨年のセンターエリアとほぼ同じ大きさのポッドが更に上下で分かれている。
 前面投影面積が小さくなるので、ドラッグが減ってストレートには良い影響が出ることを狙っているのか。ただし圧倒的に小さくなったインテーク部分が、熱処理とエンジンが必要とする空気を送ることが出来るのか?という両面で心配。
 ただ、この形状は昨年のフェラーリが採用していた形状なので、同じエンジンを積むハースはこの形状でも問題ないのか。 

図4

7、レーキ角
このレンダリング画像だと微妙に昨年よりもレーキ角が付いているように見える。

図5

総括
キープコンセプトの中に、昨年中のアップデートを搭載したアップデート型と言って良いと思う。
当たり前だけど、ストレートスピードを上げながら、昨年問題だったダウンフォースを得ようという思想。実際どこまで昨年の課題を把握できているのか。そしてそこを修整できているのか・・・。個人的には心配な車体。

今年は各チームの車を比較しながら、結果としての形ではなくて、その形になるまでの思想を想像していきたい。

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