ミミズでシロギスは釣れなかった話

【この文章から得られるもの】
ミミズは大き目の石を裏返すと楽に採取できる。


9月24日。
うろこ雲と野焼きのにおいで秋の気配を感じてシロギスを釣ろうと思った私は、先週のイカ釣りで水面を跳ねていたキス達を思い返すのだった。跳ねるほどいるなら、今回もきっと釣れるに違いない。根拠のない自信に満ち溢れた私はイカが釣れなかった悲しみと悔しさも同時に思い出し、ついでに1200円のエギも一つ無くした事実も実感するのだった。絶対にキスを釣らねばならぬ。私は強く自動車の鍵を握りしめたのだった。

結論、釣れなかった。
私は、生き残ったミミズをハマボウフウの根本に放してやったのだった。
4匹連れてきた中でひときわ大きくて使いづらいミミズが生き残った、役に立たないということは立派なサバイバル技術なのかもしれない。

私がなぜミミズを使うと決心したかといえば、ゴカイやイソメやジャリメといった釣り界のスター達から少し離れたかったからである。彼らの威力はすごい、みるみるうちに魚が食らいつく。なおかつ構造が単純であるためか強靭な生命力を持ちエサとしての持ちもばっちりだ。

しかし、彼らは釣具屋さんで買うと1パック300円もする。300円といえばアンパンが3つも買える値段だ。安くはない。それでいてたくさん入っているので、1回の釣りでは余りがちなのである。量を1/3にして値段も1/3にした極小パックの発売が待たれる限りだ。

私はアンパン代を確保するために自宅の庭からミミズを採取し、見事惨敗したわけである。

ミミズが海釣りに向かない最大の理由はエサの持ちの悪さだ。浸透圧の関係か知らないがミミズは塩水に漬けると早く絶命する。釣れない理由としては、早く動かなくなるからアピール力が足りないのかもしれない。また、シロギスはどうも泥臭い味を好まないようだ。


なお、淡水釣りなどでミミズを使いたい諸兄のためにライフハックを記しておくと、レンガやコンクリートブロック、大きめの石を庭に寝かせておくとミミズが勝手にその下に居ついてくれる。使いたい時にひっくり返してミミズを採取しよう。

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