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Malicetic Lolita 3rdシングル「初恋白書」
「初恋白書」はMalicetic Lolitaの3rdシングルで、2014年12月30日のコミックマーケット87で発売されました。
前作の「DOLCE」からは4ヶ月しか時間が空いていませんが、幸いなことにシングルなのでかなりスケジュールに余裕を持って作れました。曲は以前作り貯めたストックが十分にあったので、その中から二人で選曲しました。意外に選曲は楽しいんで好きです。その後に地獄が待っていますが…。
制作のプロセスは今までの作品と同じで、Studio Oneとソフトシンセを使ってアレンジまで完成させ、最終的にProphet-5の実機に差し替え&後藤さんのギターを重ねるというスタイルです。なお、今回も24bit/96kHzで制作されています。
1.初恋白書
「キャッチーなメロディーの曲が欲しい」という自分の中でのリクエストに応えて作りました。ワム!(ジョージマイケル)の「ケアレス・ウィスパー」みたいなのを狙ったんですが、生粋の日本人のせいかムード歌謡というか演歌に片足突っ込んだような曲になりました。わりと気に入っています。
しかし、客観的に聴いてみると演歌的な要素は一切なく、どちらかというとヨーロピアンな曲調です。個人的には間奏からDメロ(大サビ)にかけての部分が気に入っています。変拍子のない分かりやすいプログレみたいな感じで。取って付けたような構成の音楽が好きで、「DOLCE」なんかもそういう作りになっています。
サビのPOLY MODがかかった対旋律的な音が和声的に危うくて、Macoteau Tさんは気を利かせて下げてくれていたみたいなんですが、あえて上げてもらいました。そうじゃないと単純に耳当たりのいいだけのポップスになってしまいそうな気がして…。マリロリには毒が必要なのです。
この曲の仮想タイアップ先はサントリーウィスキーです。金曜日のドラマ枠とかで流れていて欲しいです。
2.泡になるの
例によって6/8拍子の曲です。時々「マリロリの曲って3拍子が多いですね」と言われますが、全くその通りです。好きなんだから仕方がない!仕事ではこういう曲を作れないから、わざわざ自腹を切って趣味で作っているのです。
この曲は、ずばりZABADAKの「そらとぶゆめ」から影響を受けて出来ました。もちろん似ていないですが…。アコースティックギターは入っていないですし、構成も単純ですし(あちらは目まぐるしく変化する構成ですよね)。
構成は単純ですが、イントロが2重構造になっているのが特徴的です。まず「戦場のメリークリスマス」みたいなドラムレスのプレ・イントロがあって、その後に本当のイントロが来ます。イントロ本編(変な表現)は同じく教授の「音楽」からインスパイアされて出来ました。自分の中でフランス映画の音楽のイメージです。
いつかお金持ちになったら、アコーディオン、リコーダー、バイオリンなんかを使ってアコースティックバージョンで演奏するのも面白いかなと思っています。たぶん無理ですが、言うだけならタダなので。
なんとなくこの曲のサビが気に入っていて、よく脳内再生されます。
3.初恋白書(instrumental)
この曲からFM8を使うのをやめたので、またシンセはProphet-5オンリーです。でも、前作とあんまり音色の印象が変わらない感じがするのが不思議です。たぶん自分にはFM音源とか要らないのかもしれません。
サビに入る前に左右にパンするように鳴っている汚い金属音が一番好きですが、間奏の単純な矩形波みたいなシンプルな音も二番目に好きです。いや、Prophet-5で出す音ならなんでも好きです。平等に愛せます。
イントロの後半のコード進行が個人的にはグッと来ているのですが、誰にも指摘されないのは、たぶん音色が変で不協和音だと思われているせいですね。すみません。
曲のテンポ感はゆっくりなのにベースがせわしなく動いているのはいつものことですが、そのベースの細かいフレーズに哀愁が感じられて好きです。本当は打ち込みですが、重めの人生を生き抜いてきた高齢ベーシストが、前屈みになりながらスリーフィンガーで弾いていそうなイメージです。これがもしかして演歌感を醸し出しているのでしょうか?
意外にギターがオーソドックスな演奏でバランスを取っている感じです。逆にドラムのパターンは相変わらず変で、自分でも忘れそうになります。歳を取ったら確実に忘れそうです。
4.泡になるの(instrumental)
イントロのビブラートがかかった音から変です。最初はもっとストレートな音色だったのですが、つまらなかったので試行錯誤して、気持ち悪さの限界までビブラートを深くしてみました。後藤さんにはギターのコード譜を逆に書いて渡して弾いてもらい、逆再生して一種異様な世界観を作り出してみました。
音色的には効果音っぽい音やノイズを多用しています。「音程感が希薄」を通り越してとうとう「音程感のない音」に行ってしまいました。いわゆるノイズ系ってやつですかね?違いますね。
サビの終わりのところのスィープする音が好きです。まあ、わりとよくある音ですが…。具体的にどうやって作ったかはもう忘れましたが、確かフィルターにPOLY MODをかけて作ったような気がします。つまみを触っていると偶発的に面白い音が出来るのもアナログシンセのいいところです。
最後のディストーションがかかったギターっぽいソロは、ピッチベンドをかけながら弾いています。本当に最後に作ったパートで、疲れていたため投げやりだったのですが、わりと綺麗に収まって安心しました。確か教授とデビシルの「バンブーミュージック」あたりにこういう感じの音ありましたよね?ないか。
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