【イベントレポート】さるびあ狂言会~やさしい解説と狂言~
2023年7月29日(土)
出演:茂山千五郎 松本薫 井口竜也 山下守之
第1部<みんなで楽しむ狂言入門>
「狂言のお話」「柿山伏」「附子」「附祝言」
第2部<夕涼み狂言~笑って街へ繰りだそう~>
「狂言のお話」「延命袋」「千鳥」「附祝言」
<出演者による解説!>
2023年7月29日(土)横浜市の鶴見区民文化センターサルビアホールにて「さるびあ狂言会~やさしい解説と狂言~」が開催されました。
狂言の前に、茂山千五郎さんの楽しいトークがたっぷり。狂言の歴史や所作、本日の見どころなど盛りだくさんの解説でした。
昔は狂言は屋外で上演されることが多く、お客様に声が届きやすいように「笑い」や「泣き」の表現はおおげさに発展していったそうです。
<小道具は最小限!その①いろいろな物になる葛桶(かずらおけ)>
下の写真、何しているシーンか想像してみて下さい。
酒樽を持って行こうとする男とそれを阻止しようとする酒屋の主人のやりとりの場面です。右が酒屋の主人ですが、手で押さえている物が葛桶といって、この場面では酒樽として表現されています。
紐は取り外し可能。上1/5くらいが蓋になっていて、中に物を入れることもできます。
ほかにも「砂糖壺」や「毒の入った入れ物」のように「器」としても使われます。また、この上に人が乗っても大丈夫な作りになっているので、この桶の上に乗ることで「木の上に登っている」という表現にも使われます。
<その②女性を表現する小道具「ビナン(美男鬘:びなんかずら)>
狂言で女性を表現する時は「ビナン」という白い布を頭に巻き、両側を垂らして帯に挟みます。
「延命袋」では、大酒飲みで口うるさい妻を離縁しようとした夫が使いの者(太郎冠者)に離縁状を持って行かせるところから話が始まります。(あまり嬉しくないお使いですね…。)カツラを用意しなくても、この白い布を巻けば「女性」を表現できます。
小道具は最小限、想像力は無限大!
<附祝言って何?>
能や狂言では会の最後に「附祝言」という短い謡が謡われます。今回の「さるびあ狂言会」では狂言「靭猿」の中の「猿歌」の一部が謡われました。「狂言会を見に来ていただいたお客様に楽しんでいただき、めでたくあって欲しいという気持ちを込めて謡っています」というコメントをいただきました。
附祝言「なほ千秋や万歳と。俵を重ねて面々に。俵を重ねて面々に。俵を重ねて面々に。楽しうなるこそ目出たけれ。」
(poppo)
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