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発見!おでこのごはんスタイル

預かり仔猫、女の子、おひげの話。

もともと小さくてどうやら好き嫌いもあるようで、下痢でやってきたおひげ。預かりっていってもいろんな条件があるだろうけど、双子の仔猫を預かってみて思ったのは、けっこうリスキーだなということ。保護猫の場合はもともとの環境や保護された時のことなど、デリケートな問題も含んでいるだろうし、数日たってはじめて分かることも多いよね、と思う。動物を飼う時は、小さい時から迎えた方がいいと思う気持ちはわからないでもないけれど、考えてみればあっという間にお母さんからも兄妹からも引き離されて人の生活の中に引き入れられるわけだから、簡単なことじゃないよな、とも思う。

でもまあそれを、幸不幸だけで切り分けることだって、もちろん、できないよね、とも思う。衣食住なかったら困るじゃない、という意味ではなくて、命ってそんなにやわじゃないよね、と思うからなんだけど、それはこの小さい二人を見ていても思うことだから、たぶん、そんなに見当違いじゃない。

なんとか下痢は治まって、少し柔らかいかな、どうかな、というところに落ち着いたおひげ。こんなに小さい子の下痢ってほんとに怖いでほっと一安心。体重も軽い上に水もごはんもボチボチな子は気を使う。

うんちはよくなったけれど、変わらずごはんは食べないおひげ。でも3日目になっておでこと一緒にお水を飲むようになった。持参のお椀はあまりに深いのでうちにある小さめのまあるい器にたっぷり水を入れるようにした。手をかけて飲んでいるのを見ると嬉しくなった。よかった。お水はちゃんと自分で飲める。

次の課題はごはん。シリンジで強制的に飲ませられる量なんて知れている。あっという間に体重が下がってしまった。うーん。とはいえ、無理やりごはんを食べさせることもできないし、病院に行っても点滴するだけで、この小さい子に点滴はかわいそうだ。でもやっぱりギリギリだなあと思いながら、全く食べてないわけでもないので、4日目は様子をみることにした。

この3日間の歩みとしては、初日、夕方に少しカリカリ入りのウエットを食べる。でもカリカリは食べてない。後で気がついたけれど、食欲があると思っていたおでこの方も毎回、少しエサを残していて、カリカリはほとんど食べてなかったようだった。最初にこのエサで、と言われたので硬い物もちゃんと食べられる状態だ、と思っていたけれど、そうじゃなかったみたい。

おひげの二日目は強制ミルク。ちなみにミルク自体がお口に合わないようで、ミルクをかけたものはどれもNo。うーんと思って、持ってきてもらったエサを順にあけてみたけれどどれもダメ。手でやっても、床においても拒否。一日一回、朝だけはおでこが食べているのを見て寄ってきて一緒に少し食べるので、ごはんが食べられないわけじゃないとは思うのだけれど、あんまり食に興味がない様子。

成長期だからハイカロリーのものを、と言われるけれど食べないものは仕方がない。寝ている時間が多いけれど、でもおでこに誘われて遊ぶし、広いリビングの中を歩き回ったりするので、元気がないわけではない。1~2時間おきにおひげの口にミルクを入れるとその後は遊ぶので、ごはんがエネルギーになってることはよく分かる。

三日目、仕事で外出している間に、母がおひげの食餌パターンを見つけた。おひげはお母さんが恋しいのか、持参した毛布をモミモミしながら喉を盛大にならしてチュッチュするのを、長いと20分近くもやっている。しかも一日に何回も。背中を撫でるとスイッチが入るのか、うーんと伸びて気持ちよさそうにチュッチュし始める。

最初はお母さんが恋しいのかと思っていたけれど、もしかして、と思った母がチュッチュしているところにごはんを置いたら、食べたという。毛布からはごはんは出ないんだけど、もしかしたら毛布でエアごはんを食べてるつもりだったのかも、ということになり、おひげがチュッチュし始めたら指にごはんを乗せて差し出すと食べるようになった。

やった!ごはんを食べるパターンが見つかった!なんでも食べるわけじゃないので、カロリーとしては不足なんだけど、それでもまずは食べてくれればいい。持参したエサもミルクもいろいろパターンを試したけれど本当に気に入らないみたいなので、ペットショップに行って手あたり次第に仔猫用のごはんを買ってきてあけていった。

気にったらしいのはいなばチャオのホタテ入りごはん。あとはカルカンのカニカマミックス。でもそれ以外のものは食べない。一回開けて時間が経つと食べなくなる。まいったなと思い、仔猫に手作りごはんはよくないというけれど、と思いながら人間用に買ってきたさわらを茹でてあげてみたら、食いついてきた。食べる。どんどん食べる。おでこも最初は興味津々で食べていたけれど、こっちは茹でただけの魚よりもパウチの総合食の方が好き。双子でも全然、好みが違うのだけど、おでこもまだ硬いものや大きいものは食べにくいみたいで、無理に食べさせるのをやめて、食べられる時に食べられるだけ、を少しの間、やってみることにした。

食べられるものとパターンが見つかったので、おひげはおかゆをペーストにしたものをほんのすこーしと茹でた魚を混ぜたもの、もしくは気に入りそうなウエットタイプの総合栄養食、を交互に食べさせることにした。チュッチュしはじめたら指に乗せて口に近づける。時間は関係なし。食べられる時に食べられるだけあげる。食べるとよく遊ぶし、好奇心も丸出しになる。食べたものがそのまま、行動に繋がっているのがよく分かる。たくさん食べてほしいけれど、無理矢理食べて消化できるほど、まだ大きくなっていないのかも、とも思う。

ミルクを飲んでくれるかも、と思って買った哺乳瓶は口に入れもしれくれないし、3~4日でまた変わるだろうからとにかく食べられるだけごはんを食べさせてみよう、ということで三日目が終了。

食欲旺盛な乳のみ仔猫の方がきっと手間いらずだな、と思ったりしながら、でもどんどん慣れて大きくなっていくのが分かるので、この子はこういうサイクルなんだ、と注意深く様子をみることにした。

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