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フィリピンの教育システムについて

みなさんこんにちは!ソルト・パヤタス ボランティアの須多です。

前回の記事では、フィリピンの大学入試事情をご紹介しましたがいかがでしたでしょうか?
今回の記事では、引き続きフィリピンの教育事情についてご紹介していきたいと思います。

義務教育について

日本の義務教育は、小学校6年・中学校3年の計9年です。
対してフィリピンは、幼稚園1年・小学校6年・高校6年*の計13年。
実は、フィリピンの方が4年も義務教育が長くなっています。
特に、幼稚園が義務教育とされているのは特徴的ですね。

*フィリピンには中学校という分類がないため、高校が6年制となっており、前期3年間が日本の中学校に相当します。

しかし、就学率は小学校で88.2%、高校で60%強となっており、まだ全ての子どもに教育が行き届いていない状況にあります。

また、中退率が高いことも問題視されています。
古いデータにはなってしまいますが、以下が日本とASEAN諸国の初等教育中退率を表したグラフになります。

(ASEAN における教育の充実と経済成長, 大和総研, 2014)

カンボジアやラオス、ミャンマーと比べると低いものの、日本やマレーシア、シンガポールと比べると約25%という数字の高さが分かりますね。

問題点について

現在、急激な人口増加に伴う教育リソースの不足が問題視されています。
特に、教室 (Teaching room)・教科書(Textbook)・教師(Teacher)の3つのTが足りない、「3T不足」が深刻な状況です。
データで見てみると、教員1人に対する生徒数は日本で17.5 人に対し、フィリピンでは31.4 人で、教員不足の深刻さが伺えますね。
この傾向は都市部で顕著に現れており、学校によっては午前・午後の2部制で授業が行われています。

英語教育について

EF EPIの調査によると、フィリピン人の英語力はヨーロッパなどの先進諸国に引けを取らないほど高いとされています。
また、近年では、フィリピンへの英語留学も人気になっており、街中で現地の人に英語で話しかけても通じることがほとんどです。

では、なぜフィリピンの人々はこれほどまでに英語が得意なのでしょうか?

第一に、フィリピンの公用語はフィリピン語と英語です。
そのため、テレビや看板などを通して、日常的に英語に触れる機会も多くあります。

また、教育面に関しても、公立小学校では英語の授業が小学1年生から週5回あり、高学年になると数学や理科などの主要教科も英語で授業が行われるようになります。

このような生活の中で、子どもたちは英語を身につけて行くのですね。

最後に

前回に引き続き、フィリピンの教育システムについて紹介してきましたがいかがでしたでしょうか?
こうして比べてみると、日本とフィリピンの教育システムは多くの点で違うことがわかりますね。
特に、英語教育の熱心さには目を見張るものがあります。

次回の記事では少し視点を変え、フィリピンの若者文化についてご紹介していきたいと思います。


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