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フィリピンの大学入試事情

みなさんこんにちは!ソルト・パヤタスボランティアの須多です。

日本では約半数の人が経験する大学受験。
最近は、電車の中で受験勉強をしている高校生をよく見かけるような気がします。

ソルト・パヤタスは現在、大学受験に関する情報格差を是正するためのプロジェクトを検討しています。
そこで本日は、フィリピンにおける大学入試のシステムについて、日本と比較しながらご紹介していきたいと思います。

日本式とフィリピン式、みなさんに合っているのはどちらでしょうか?

提出物について

日本の大学の一般入試では、主に願書や高校が作成した調査書が求められます。
加えて、共通テストの成績請求票や外部検定試験の成績表が求められる場合もあるようです。

フィリピンではどうでしょうか?
例として、PUP(Polytechnic University of the Philippines)の入学要件を見てみましょう。

(“College Admission Evaluation of PUP”, Polytechnic University of the Philippines, n.d.)

直訳すると以下の通りになります。

  • CAEPUP 2022 出願フォーム

  • 10-11年生 学校印付き成績証明書/高等学校卒業証明書

  • 高等学校卒業後、技術・学位・学位課程に在籍していない者の非在籍証明書

  • 高等学校卒業証明書

  • 出生証明書(原文)

  • 学校印付き高等学校長または進路指導教諭が発行する善良な行いの証明書

  • DepEd-NETRC-BALSが認証したPEPT/ALS A&E Test Certificate of Rating*の正式なコピー(テストの点数証明書)                   *教育省国立教育試験研究センターが認証した学力テスト

ここでは7つ挙げられていますが、この中でも特徴的なのが「出生証明書」と「善良な行いの証明書」です。

出生証明書については、日本の大学入試では必要ありません。
また、善良な行いの証明書については馴染みがないと思いますが、素行を証明するための書類のことです。
過去の行いが評価対象になっていることが分かりますね。
日本でも高校時の活動内容を記した調査書を提出しますが、一般入試では合否に影響しないとされているため、これは大きな違いであると感じました。

学外の学習施設について

大学入学に向けた対策のため、フィリピンにも日本の塾や予備校同様の”Review Center”と呼ばれる学習施設があります。
Review Centerでは、大学受験に限らず、様々な試験のための教育プログラムが用意されています。
例えば、St. Louis Review Centerには教員試験や看護試験のためのカリキュラムがあります。
しかしReview Centerに通うにはは授業料がかかるため、生徒はこれを払うことのできる富裕層の一部に限られている状況です。

最後に

今回は、フィリピンの大学入試事情について紹介してきましたがいかがでしたでしょうか?
日本と比べてフィリピンでは、学力テストよりも提出物に重きを置いている傾向にあるようですね。

あまり知らない他国の大学入試事情ですが、これをきっかけに調べてみるのも面白いかもしれません。
次回の記事では引き続き、フィリピンの教育事情についてご紹介していきたいと思います。

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