【Day.41 コミュニティの男性たちについて】
スタディーツアーでもよく聞かれることですが、コミュニティの男性たちは何をしているのかについても今後考察をしていきたいと思います。
コミュニティ開発の教科書や授業でも女性のエンパワーメントがよく扱われますし、ソルト・パヤタスでも女性エンパワメント事業を2000年から行ってきています。
社会的に不利な立場にいる方を国際機関やNGO/NPOがエンパワーメントしてきたし、今でも行っているというのは良く勉強する内容かなと思います。
一方で男性の配偶者(法的な婚姻関係のパートナーもいれば、そうでないパートナーも含め)はどうかというと、仕事はなく、Tambayをしているのだということをよく伺います。
Tambayというのはタガログ語で今は仕事がないが、いつでも仕事につける準備をしているという意味で、英語のStand byが語源となっています。
女性が一生懸命自分たちの事業に関することをプレゼンテーションしてくれている一方で、男性たちは平日の昼間からバスケットボールをしたり、半裸で軒先でうたた寝をしていたりする姿を見て、日本からスタディーツアーに来た方々には「男性は何をやっているんだ」と思われがちなのもわからなくもないかなと思います。
ただ、Tambayをしているのは彼らの本意でしょうか?という点も気になります。ファクトチェックはこれからですが、よくコミュニティーの方々から聞く話では、男性は建設作業員、配達員、ドライバーなど、いわゆる低賃金重労働のブルーカラーの仕事に就くことが多く、かつほとんどの場合が非正規雇用のため、仕事を長く続けたくても続けることができないという事を伺います。
ぼくたちソルト・パヤタスも正直なところコミュニティーの男性たちが考えている事、行動原理はいまいち良く掴み切れていません。ただ、子どもの支援を行っていく上では家族を巻き込んで支援をしていく必要があるということは明白です。今まで女性のエンパワーメントを中心に行ってきましたが、そろそろ家族のエンパワーメント事業にシフトをしていく必要があるのではと、今考えているところです。