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「男性への性教育事業」:第四回ワークショップを実施

みなさんこんにちは!ソルト・パヤタス ボランティアの川﨑です。

「男性への性教育事業」の第四回ワークショップを実施しましたので、現地の様子をお伝えします。前回までのワークショップでは、将来の計画における「お金」について学びましたが、今回からは「性と生殖に関する健康と権利」に焦点を当てました。家族計画は、子どもを育てるための経済的計画にも関連しており、したがって、「金銭的」な決定と「性や生殖」に関する決定は将来の計画において非常に重要です。 今回のファシリテーターは、男性の教授 Dr. Paeng です。「性」に関する内容を取り扱うため、男性参加者が話しやすい環境を提供するために、男性ファシリテーターを選びました。


第四回ワークショップの目的

第四回目のワークショップでは、主に「性別」「ジェンダーロール」「ジェンダーアイデンティティ」の基本的な概念を学びました。この概念が、日常的な対話や経済的決定を考える上での基礎となるので重要です。

「家の間取り図」アクティビティ

最初のアクティビティでは、各参加者に「家の間取り図」を書いてもらい、その上に男性、女性、子どもの日常の生活場所を示してもらいました。以下は参加者の回答です。

・私は休みの時間には、家の2階で携帯電話を見ながらゆっくり過ごしています。子どもは妻が家事をしている間1階にいます。
・妻と娘たちは主にリビングにいて、私と息子は鶏小屋の近くにいます。
・私はシングルファザーです。長女と一緒にテレビを見ます。他の子供たちは家の外のキッチンで、携帯電話を使って休みの時間を過ごしています。
・私は家の2階に末っ子と一緒にいて、いつも携帯電話を使っています。妻は1階で洗濯をしています。

参加者の間に共通する傾向として、家族それぞれに異なる生活空間があることが分かりました。また、家庭内の役割や生活空間における「境界」の存在が明らかになりました。その「境界」には問題があることが指摘され、例えば、互いに近すぎて時折重なること、狭い空間におけるプライバシーの問題、妻が休みの日でも家事を期待される一方、夫は休みの時間に家事を頼まれないことが不公平だとの意見が出ました。

このアクティビティを通じて、家庭内の日常生活における「性差別的な問題」や「ジェンダーに関する問題」をより具体的に認識しました。

ジェンダーについて考えるアクティビティ

参加者に対して、この画像が何を意味するか尋ねました。

・昔は女性は男性よりも強いと信じられていましたが、今では女性も男性と同じくらいの成果を出すことができると認識されています。
・この画像は、男性と女性が平等であることを示しています。

ジェンダー規範の概念について
男性と女性に対して受け入れられている、慣習や行動を紹介しました。ジェンダー規範の例には、仕事を男性向け・女性的向けの仕事と分けること、男女間の収入格差、男女での教育格差などがあります。

「性別」「ジェンダーロール」「ジェンダーアイデンティティ」の違い;

  1. 性別:「男性」「女性」とは、出生時に割り当てられた生物学的な性を指し、染色体、ホルモン、器官などに基づいて定義されます。

  2. ジェンダーロール:「男らしい」「女らしい」とは、個人が性別に基づいてどのように振る舞うべきかに対する社会的な期待を表します。

  3. ジェンダーアイデンティティ:自分自身が男性、女性、そのどちらでもない、またはその中間であるといったアイデンティティを自由に選ぶことができるものです。

Yes/Noアクティビティ

この概念を説明した後に、Yes/Noアクティビティを実施しました。いくつかのトピックに対して「Yes」と「No」の立場に立って、それぞれの意見を参加者から発表をしてもらいました。

  1. 性行為について議論するべきではない
    Yes - 夫婦は性行為について自分たちの中で話すべきだ
    No - 性行為については公然と話されなければならず、同意を守るべきだ

  2. オムツ替えは主に女性の責任である
    No - 男性も時間がある時にはオムツ替えをすることができる

  3. カップルは子供を持つかどうかを決めるべきだ
    Yes - カップルは子供を計画する際に経済的な状況を考慮すべきだ

  4. 男性は女性よりも学校に行かせるべきだ
    Yes - 女性は状況を理解しやすいため、学校に行かせなくても良い
    No - 女の子を先に学校に送らなければならない。卒業後には良い仕事ができるから。学校を終えていない男性はまだ異なる仕事に就くことができる

  5. 決定を下す際、男性が最終的な判断を下すべきだ。
    Yes - 男性は言葉に信頼性がある
    No - 両方のカップルが決定でき、より良いアイデアを持っている方が決定権を持つ

このYes/Noアクティビティは、家庭内のジェンダーに関連する問題を認識させ、男性と女性の不平等な関係における特定の慣行について考える機会となりました。最後に、ファシリテーターは以下を強調しました。

  • 同意なしの性行為は強姦であり、結婚の文脈でも同様です。

  • パートナー同士は性に関する問題について話し合うべきです。

また、このアクティビティは性別に対する感受性に関連する今後のワークショップの基盤となります。

第四回ワークショップを終えて

参加者からは、以下のフィードバックがありました。

・平等について学びました。
・自分自身のために選ぶジェンダーアイデンティティを理解しました。
・女性と男性がお互いを理解する必要性を学びました。
・夫婦間での意思決定の共有について学びました。

参加者の男性たちは、今でも貧困に直面しており、このワークショップは議論を実践的なものとし、夫婦間のコミュニケーションやLGBTメンバーに対する差別のない態度について自由に議論する機会となりました。参加者との議論や意見交換を通じて、ワークショップの目的である「ジェンダー、性、および生殖に関する健康と権利の問題」を認識することができ、参加者は自由に意見を共有し、対立する立場を解決する能力を持っていることを感じました。

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