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3年目を迎えた「E-learning Project」

みなさんこんにちは!ソルト・パヤタス ボランティアの川﨑です。

今年で3年目を迎えるE-Learning Project。プロジェクトの発端はコロナ禍、学校に行けず自宅学習が長く続いたカシグラハンの子どもたちへ、「インターネット環境」と「学習環境」を提供する事を目的に開始しました。
今回は普段は都内の企業で働いている川﨑が念願のE-Learning Projectの現場を訪問することができたので、その様子をお伝えします。


What's going on?

現在もカシグラハンのインターネットカフェを貸し切り、E-learningで学ぶことができる環境を提供しています。参加者の子どもたちは週1回、好きな日に参加することができます。
訪問した時間帯は丁度スコール(大雨)の時間帯でしたが、4人の子どもが勉強していました。

参加者はE-Learningで「数学」や「英語」を学び、余った時間で学校の課題をすることができます。子どもたちは、学校以外で勉強したり、習ったことを復習する機会はほどんとないため、インターネットカフェに来ることで自習をすることができます。
分からないことがあれば、ファシリテーターへ聞くこともできます。

ファシリテーターへのインタビュー

現在のファシリテーターは5人。週1回MTGをして、子どもの進捗や問題などを共有しています。
私の訪問時に子どもの対応をしていたファシリテーターに話を聞いてみました。

ファシリテーターとしての心構え
彼女たちが子どもたちとコミュニケーション取るときに気を付けていることは、「答えを教えない」こと。例えば、数学の問題について聞かれた時は、考え方のプロセスを伝えるようにしているとのことでした。
そう回答してくれたのは、コミュニティの出身で、今は英語学科に通う大学生。将来は「英語の先生」になるのが夢とのこと。

E-learningの課題は?

子どもたちに通い続けてもらうこと
外出規制が解禁され、子どもたちは以前のように登校するようになりました。3年近く学校に通っていなかったので、ある意味「勉強疲れ」になっている子どもたちが多くなったように思います。

参加率を上げるために、ファシリテーターが家庭訪問をしたり、メッセージを送ったりして、子どもたちを励ますようにしています。

現地訪問を終えて

E-Learning Projectに参加している子どもたちは、最低賃金以下の家庭の子どもたちで、親の中には学校を卒業していない人も多いとのことです。彼らが抱える貧困の連鎖を断ち切るためには、勉強が不可欠です。しかしながら、親が十分な学習サポートができない環境や、身近に高等教育を受けている人がいない場合、勉強へのモチベーションが生まれにくいと感じます。

このE-Learning Projectの中で注目すべきなのは、ファシリテーターの多くが同じコミュニティ出身の大学生であるという点です。このコミュニティには、勉強を頑張り大学に通っている「ロールモデル」が存在し、これが子どもたちの学習意欲に良い影響を与えていると考えられます。

実際に現地を訪れて印象的だったのは、子どもたちがとても集中して真剣に勉強している様子です。しかしながら、オンライン授業をただ受けているような、受け身の印象が見受けられました。学校の授業の復習や、将来の夢やキャリアパスなども含めて、ファシリテーターとコミュニケーションをとれる環境が整えられれば、子どもたちがより主体的に学べると感じました。


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