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Salt 平和のための修養会   イグナチオ教会 助任司祭 柴田 潔

6月15日に白百合学園の中学1年生の生徒さんに修養会をしました。テーマは「平和のために今の私にできること」。今年2月にロシアがウクライナに軍事侵攻したことは知っていても何もできないと考えている生徒さんを予測し「平和について」学び「自分たちにできることを考える」機会にしました。

プログラム
第1講話では「アンネの日記」(1959年)から、ゲシュタポが隠れ家を捜索する場面、希望を語るアンネ、そして見つかってしまう場面を観ました。

第2講話では、難民について学びました。JICAが作成した動画からは
①国を逃れる人々 https://www.youtube.com/watch?v=O_tDC4ueO4M
②国を逃れた後の生活

③各国の難民受入状況

を、それぞれ数分の動画を観ました。また難民支援協会からのデータで難民の状況を説明しました。https://www.refugee.or.jp/refugee

https://www.youtube.com/watch?v=lquhNMaSwf4(参考)
第3講話では、これまでの難民支援の取り組みを紹介しました。
東日本大震災の福島の幼稚園支援から始まったカブトムシの飼育の動画(柴田神父の動画チャ
ンネル 

https://www.youtube.com/watch?v=QDlakNYfQvI
3つの講話のあと、教室に戻りグループワークを実施。グループワーク①では「平和について」「難民について」考え、グループワーク②では「今のわたし」はウクライナのために何ができるか? 個人で、またグループとして考えました。

1.「今のわたし」の周りにある「平和」については
・朝、普通に起きて十分な朝食をとれること。そして駅まで攻撃される心配がなく歩いて行き、通常通り運転される電車に乗って登校できること。
・いじめが存在しないで、学校のお友だちと一緒に遊び、学べること。
・嫌な気分になる家族とのけんかだって平和の証拠だと思った。

2.平和でない状況とは?
・戦争や紛争が起こっている状態。
・朝は爆弾の音と共に起き、キャンプ場などで寒さに耐えて生活すること。
・水を汲みに行ったり、食料をもらいにいくのが精一杯で学校に行けない状況。
・家族とも離れ離れになり、将来の夢が描けない状況。
・差別やいじめがあること。
・互いの平和を願えないほどに険悪な状態。

3.平和でない状況から「平和」になるためには、何が必要でしょうか
・力で解決するのではなく、お互いが話し合って納得すること。
・「誰かが平和にしてくれるからいいだろう」ではなく「自分から平和を作り始めなければなら
ない」。
・相手が謝ってくれるのを待つのではなく、勇気をもって自分から平和への一歩を踏み出すこと。

4.「今のわたし」が「平和」のためにできることは?
・先生に対する返事を忘れず、困っている友達がいたら声をかけたり、ものを貸してあげる。そんな「小さな平和」をつくること。
・世界の困っている方々に衣服や食料を寄付し、募金活動にも積極的に参加する。
・ウクライナ料理を一緒に作ったり、食べたりして共に過ごす。(「海を渡った故郷の味」を紹介)
・平和が当たり前と思わずに感謝すると、平和は壊してはいけない大切なものだと意識できる。
・平和は一人だけで作るものではなく、周りの人とも協力して作るものだから、周りへの感謝も大切。
・普段から相手を大切にすることがわたしにできることだと思う。
続いて、生徒一人一人の共同祈願をお捧げしたミサが行われました。

ミサに捧げた共同祈願から
・神様、今こうして私たちがミサにあずかっているときも、ウクライナではミサイル攻撃の恐怖におびえています。今日も銃を構えて戦っている人たちがいます。祖国のために全力を尽くして戦っている兵士たちが、これからも自分の国と家族を守れますように。
・国の違いだけでお互いを嫌悪することがいつかなくなりますように。
・私たちは中学生の一人だから、自分たちの力だけでこの戦争をやめさせることはできないけれど、今辛い思いをされている人たちのことを考えて祈ることを大切にできますように。
・神様、平和の中で暮らす私たちに祈らせてください。恵まれた人が、苦しんでいる人を見捨てて、おいていく、そんな世の中ではなく、皆が互いに平和のために祈れる日がいつか訪れますように。
・明日、朝を迎えられるかわからない人、居場所を失っている人に希望をお与えください。和解が実現し、平和な日が訪れますように。
翌日は、家庭学習日として課題が与えられました。何人かの生徒の意見です。

5.2日間の修養会を振り返って考えたこと
・今まではニュースや新聞で戦争など残酷な状況を見ても「なんでこんなことをするんだろう?」と心の中でつぶやいていたが、修養会で自分にできることがあると知り驚いた。身近な「小さな平和」を深め、そこから世界がつながっていくことを知って勉強になった。

・「小さな平和」を積み重ねていけば、兵器を使った大規模の争いもなくなるのだと思った。
・平和な時代を生きている人の任務は、皆に平和を共有すること。過去を変えることはできないけれども、未来の平和を共有することで、早く平和になってもらいたいと思った。

まとめ
生徒さんたちは真剣に「平和」について「何ができるか?」を考えていました。意識を継続して具体的な行動に起こしてくれることを期待しています。

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